ペラグラ(英語表記)pellagra

翻訳|pellagra

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ペラグラ
pellagra

ビタミンB群,特にニコチン酸欠乏症。アルコール中毒性肝障害などの肝疾患は本症の誘因となる。以下の症状がみられる。 (1) 皮膚症状 光線過敏症で,日光曝射部に一致して紅斑水疱,特有な濃褐色の色素沈着が生じる。のちに皮膚の乾燥,萎縮が起きる。 (2) 消化器症状 下痢,腹痛,食欲不振,嘔吐,口渇舌炎など。 (3) 精神神経症状 けいれん,運動障害,幻覚,躁うつ状態,痴呆状態など。ペラグラはニコチン酸の大量投与,新鮮な野菜の摂取,高蛋白食摂取などの食生活の改善によって容易に軽快する。

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百科事典マイペディアの解説

ペラグラ

ニコチン酸の欠乏によって起こる病気。手足,顔面,上胸部など日光のあたる部分に紅斑を生じ,落屑(らくせつ)がある。灼熱(しゃくねつ)感やかゆみを伴い,後に色素沈着を残す。下痢,視力障害,耳鳴り,痙攣(けいれん),運動麻痺(まひ)などを起こすこともある。治療はニコチン酸の投与。

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世界大百科事典 第2版の解説

ペラグラ【pellagra】

ビタミンB群,とくにニコチン酸アミド欠乏による全身性疾患。皮膚では顔面,手足の背面,上胸部などの露出部に紅斑,水疱,潰瘍を生じ,やがて色素沈着と萎縮を残す。このほか消化器症状,神経症状を伴い,重症の場合は死亡する。元来は地中海地方で流行していたもので,病名もイタリア語のpelle(皮膚の)+agra(痛み症)による。その後アメリカにも出現し,現在では世界的にみられる。日本ではきわめてまれで,常習飲酒者,胃切除者などにみられることがある。

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大辞林 第三版の解説

ペラグラ【pellagra】

ニコチン酸の欠乏が原因で起こる病気。日光照射による皮膚紅斑・口内炎・下痢・無気力などの症状を示す。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ペラグラ
ぺらぐら
pellagra

ニコチン酸アミドの欠乏によっておこる疾患。ニコチン酸アミドは体内でトリプトファンから生ずるので、トリプトファンの欠乏によってもおこる。下痢、皮膚炎、認知症を主徴とする。トウモロコシを主食とする人たちにおこり、アメリカの南部で多数発生した。その後、食事内容の改善により、いまではまれになったが、エジプト、インド、南アメリカなどでは、なお発生をみている。初めは食欲不振、衰弱、下痢、便秘、口腔(こうくう)の灼熱(しゃくねつ)感などがあり、ついで皮膚の日焼けのような潮紅、かゆみ、水疱(すいほう)などが生じ、舌炎もみられ、舌が真紅色、平滑となる。めまい、頭痛、幻覚、記憶力低下、異常知覚、振戦(ふるえ)などの神経症状もみられる。しばしばビタミンB1、B2、B12などの欠乏が合併する。
 なお、青森県津軽地方に古くからみられた風土病で、進行すると精神障害をおこすところから恐れられたシビ‐ガッチャキ病は、ニコチン酸アミドとビタミンB2の欠乏が合併したものとされる。[高橋善弥太]

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世界大百科事典内のペラグラの言及

【ビタミン】より

…1日の所要量は食物中のトリプトファン含量によっても変わるが,成人では11~17mgとされる。(2)欠乏症 ニコチン酸の欠乏症としては,イヌの黒舌病,ヒトのペラグラpellagraなどがある。ペラグラは,動物性タンパク質の摂取が少なく,トウモロコシを多食している地方に,地方病としてみられる。…

【ビタミン】より

…1日の所要量は食物中のトリプトファン含量によっても変わるが,成人では11~17mgとされる。(2)欠乏症 ニコチン酸の欠乏症としては,イヌの黒舌病,ヒトのペラグラpellagraなどがある。ペラグラは,動物性タンパク質の摂取が少なく,トウモロコシを多食している地方に,地方病としてみられる。…

※「ペラグラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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