翻訳|Pentecost
ギリシア語pentēkostē(〈第50〉の意)に由来し,《使徒行伝》2章1節以下に伝えられている聖霊降臨日をさす語。この日を記念するキリスト教の祭日は聖霊降臨祭,五旬祭と言い,元来は旧約聖書に記されている過越の祭より50日目の七週の祭(《出エジプト記》34:22)を意味していたが,新約聖書では,それをイエスの復活日より50日目をさすと解釈された。それによれば,この日聖霊が初代教会の信徒たちの頭上に炎のように降り,そこで彼らが〈他国の言葉〉で語りはじめたとされる。しかしそれが冷静な言語であったのか,一種の恍惚状態においてなされる〈異言〉であったのか(《使徒行伝》2:15参照)については,2種類の報告が混合しているように思われる。また約束されていた聖霊が降ったのは復活後50日目であったとの図式も,著者ルカのものと考えられており,事実《ヨハネによる福音書》20章22節は,一定の期間へのなんらの言及もなしに〈聖霊を受けよ〉とのイエスの言葉を引用している。教会史上,この日は復活祭に次ぐ大きな祭日として守られてきたが,今日でもヨーロッパなどキリスト教文化圏では1週間の祝祭日になっている。なお,この語を冠する教派にペンテコステ派Pentecostal Churchesがあり,20世紀初頭以来アメリカを中心に活動している(リバイバル運動)。
→聖霊降臨祭
執筆者:青野 太潮
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…復活祭は,枯れた草木が山野を彩る変化に草木の霊魂の死と復活を信じた異教時代の祭りの趣旨を生かしたものである。聖霊降臨祭(ペンテコステ)は夏の収穫の豊かならんと祈る農民の心を満足させるものであった。しかも教会は,これら三大祝日には当日のみならず,その前後1週間を休日とし,農民を賦役労働から解放し,キリストの恵みを伝えた。…
…教会は五月祭に近い復活祭5週間後の月・火・水の3日間を祈願節Rogation Daysというキリスト教の祝日と定め,罪の赦しと大地の実りを主に祈る日とした。のちには,復活祭50日後の聖霊降臨祭(ペンテコステ)に〈五月の樹〉を立てて祝う地方も現れ,五月祭はしだいに教会のかさの中にとりこまれていった。なお,5月1日の労働者の祭日については〈メーデー〉の項を参照されたい。…
※「ペンテコステ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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