デジタル大辞泉 「ペン」の意味・読み・例文・類語
ペン(pen)
2 文章を書くこと。文筆活動。また広く、言論活動。「
[類語]万年筆・付けペン・硬筆・鉄筆・ボールペン
翻訳|pen
筆記具の一つで,毛筆とならんで代表的なもの。語源はラテン語のpenna(翼,羽毛)で,もとは羽毛の軸の先にインキをつけて書くものを指した。羽根ペン,鵞ペンquillともいわれ,5世紀ころから19世紀まで使われていた。古くは文字を書くのに手の指や簡単な尖筆を用いたと思われるが,中空の管がインキを保持する点を利用して,古代エジプトではアシcalamusの茎が使用され,羽根ペンが出現して小さな字が可能になってからも,アシのペンは地中海地方に残っていた。羽根ペンの羽根は大型の鳥の翼からとり,北ヨーロッパのガチョウ,ガンを最良とし,ハクチョウ,シチメンチョウ,ペリカンなどが利用された。細字用にはカラスの羽根も使われた。一般には羽枝を切り落として羽軸だけにし,小型ペンナイフで先をとがらせて用いたが,羽根を節約するため短く分割し,ホールダーにつけるくふうも19世紀には行われた。18世紀中葉以降,ドイツのヤンセンJ.Janssen,フランスのアルヌーJ.Arnoux,イギリスのハリソンW.Harrisonが金属でペン先をつくることを始めた。すでに17世紀に銀製ペンがあったという記録もある。しかし鋼鉄ペンが大量生産で普及するようになるのは1830年ころで,同年にはペリーJ.Perryがペン先中央の割れ目の左右にも割れ目をつける特許を得ている。
日本へは1871年(明治4)ころ羽根ペンや金属ペンが輸入され,74年の大蔵省達書では,ペン,インキは必要なときは買って支給せよとあるから,短期間である程度普及したらしい。鋼鉄ペンはほとんどイギリス製だったが,97年には国産品が現れ,日本字用もつくられた。しかし,公文書のペン書きは1908年まで認められなかった。
ペンはペン先をペン軸にさして用い,用途に応じて種々の形状・筆跡のものが安価に得られるため,一般の筆記用のほか,製図用のもの,地図を描く際に2本の並行線が一度に引ける鉄道ペンなどもつくられたが,最近は他の筆記具に移行している。ガラスペンは墨汁でも使えるよう1902年に日本で考案されたもので,鋼鉄ペンと形状は異なり,ガラス棒の周囲に縦溝をつけ,先端を細くとがらせたものである。
→インキ →万年筆
執筆者:小川 伸
イギリスのクエーカー教徒の政治家,新大陸ペンシルベニア植民地の創設者。父は海軍提督。オックスフォード大学を中退,外遊後リンカンズ・インで法律を学んだが,1667年クエーカーに加わる。チャールズ2世およびジェームズ2世の知遇を得るが,クエーカーとして説教やパンフレットの著述に励み,数度の入獄にも屈せず,信教の自由と立憲政治のために闘う。70年代にウェスト・ジャージー植民地の経営に参画し,民主的統治のため憲章の作成に貢献。次いで自己の理想に基づく植民地の設立(〈神聖な実験〉)を企図し,父から相続したチャールズ2世の債務に対する代償として,81年ペンシルベニア(〈ペンの森〉という意味)の領主権を付与される。《政治の形体》を起草して82年に渡米,住民総会においてその採択をみた。この統治機構では,信教の自由など人権を尊重したが,政治的には保守的な面がのこされた。植民地滞在中(1682-84)インディアンとの友好関係の樹立やフィラデルフィア市建設計画など,広く活躍した。メリーランドとの境界問題や本国のクエーカー救済のために帰国し,名誉革命後ジェームズ2世との親交のゆえに嫌疑をかけられ,領主権を一時奪われた(1692-94)。復権後植民地を再訪(1699-1701),住民の要求をいれて民主的な〈権利の憲章〉を制定する。晩年は植民地との関係に円滑を欠き,家庭的不幸も加わり不運であった。
執筆者:大下 尚一
アメリカの写真家。ニュージャージー州プレーンフィールドに生まれる。ペンシルベニア工芸大学を卒業後,《ハーパーズ・バザー》や《ボーグ》のアート・ディレクターでR.アベドン,R.フランクなど数々の写真家を育てたA.ブロードビッチのもとでデザインを学び,1943年《ボーグ》誌のアート・ディレクターとなった。彼はそこですすめられて写真を撮り始める。ペンの写真は百数十回も《ボーグ》誌の表紙を飾っているが,これらのファッション写真は,クールで格調高いロマンティシズムに溢れたものである。またポートレートは優しいなかにも冷徹なまなざしがつらぬかれている。写真集《保存された瞬間Moment Preserved》(1961)は,彼の写真家としての仕事の全体を一望させるものである。
執筆者:金子 隆一
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1644~1718
ペンシルヴェニア植民地の建設者,領主。クエーカーであった彼は宗教的迫害を受けている人々に信仰の自由を与える植民地の建設を志し,チャールズ2世に願い出てそれを実現した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報
突発的に発生し、局地的に限られた地域に降る激しい豪雨のこと。長くても1時間程度しか続かず、豪雨の降る範囲は広くても10キロメートル四方くらいと狭い局地的大雨。このため、前線や低気圧、台風などに伴う集中...