ホワイトナイト(読み)ほわいとないと(英語表記)White Knight

翻訳|white knight

知恵蔵の解説

敵対的買収防衛策として、有事に導入される。「白馬の騎士」ともいう。敵対的買収を仕掛けられた会社の経営者が自らにとって友好的な第三者である会社に買収してもらうことで会社を守ろうとするもの。実際にはこのホワイトナイトに市場価格以下で会社の重要財産(クラウン・ジュエル)を譲渡したり(クラウン・ジュエル・ロックアップ・オプション)、新株引き受けオプションンの無償供与(株式ロックアップ・オプション)によって敵対的買収者に対抗する方法である。

(高橋宏幸 中央大学教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

M&A用語集の解説

直訳すると白馬の騎士。アーサー王伝説に出てくる英雄である。敵対的買収を仕掛けられた企業側に立つ有力な支援者のこと。しかし、ホワイトナイトとて多額の出費をするわけで、それ相応のリターンを求めていると考えるのが妥当で、通常は何らかの意図がある。したがって、純粋な意味でのホワイトナイトは存在しないといえるだろう。

出典 株式会社ストライクM&A用語集について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

企業の敵対的買収に対抗するため、買収対象企業の株式取得などを通じて、友好的な立場から合併・買収を試みる第三者の企業・個人をいう。危機に際して、救いの手を差し伸べるという意味で、白馬の騎士=ホワイトナイトとよばれる。

 ホワイトナイトの具体的な対応としては、第三者割当増資の引受け、敵対的買収者との間でのTOB(株式公開買付)合戦、株式交換などがあげられる。おとぎ話では、窮地に陥ったお姫様を悪漢から助ける正義の騎士であるが、買収防衛に際してのホワイトナイトの動機はもうすこし功利的である。たとえば、買収対象企業との取引関係が買収により損なわれるリスクを回避したい場合、買収企業と競合関係にあるが買収が実現すると自社の市場シェアが著しく低下する場合などが、ホワイトナイトとしての一般的な動機である。

 したがって、敵対的買収を防げたとしても、株式保有状況しだいでは、買収対象企業はホワイトナイトの傘下に組み入れられることとなる。ただし、買収対象企業やその経営者とのつながりが密であるなど、本当に義侠(ぎきょう)心だけから敵対的買収に立ち向かった場合、取得株式の扱いを通じて買収対象企業の経営独自性を維持させるケースもある。このような場合は、とくにホワイトスクワイアwhite squire=「白馬の(騎士の)従者」とよばれている。ただ、ホワイトスクワイアのケースであっても、買収対象企業としては救済相手に対してなんらかの経済的なメリット付与を強いられるのが一般的である。

[高橋 元]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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