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マンガン マンガン manganese

翻訳|manganese

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マンガン
マンガン
manganese

元素記号 Mn ,原子番号 25,原子量 54.938049。周期表7族の金属元素。主要鉱石にはパイロルース鉱,サイロメレーン鉱,菱マンガン鉱テフロ石などがある。地殻に広く分布し,平均存在量 950ppm,海水中には 2μg/l 含まれる。

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デジタル大辞泉の解説

マンガン(〈ドイツ〉Mangan)

マンガン族元素の一。単体は銀白色の金属で、鉄より硬くてもろい。鉄に次いで広く分布し、主鉱石は軟マンガン鉱など。動植物体にも微量含まれ、発育・代謝に不可欠合金添加剤や鋼の脱酸剤などに利用。元素記号Mn 原子番号25。原子量54.94。

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百科事典マイペディアの解説

マンガン

元素記号はMn。原子番号25,原子量54.9380。比重7.44(α),融点1244℃,沸点2097℃。元素の一つ。1774年シェーレおよびJ.G.ガーンが発見。

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栄養・生化学辞典の解説

マンガン

 原子番号25,原子量54.93805,元素記号Mn,7族(旧VIIa族)の元素.必須微量元素.第六次改定日本人の栄養所要量では15〜69歳の男性で1日4.0mg,女性で3.0〜3.5mgとされている.

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食の医学館の解説

まんがん【マンガン】

骨やたんぱく質の形成、炭水化物や脂質のエネルギー代謝、神経の刺激伝達活性酸素の中和などにかかわっています。不足すると骨がもろくなり、発育不全などをまねきます。アマランサスモロヘイヤ、青ノリ、クリ、ヘーゼルナッツなどに多く含まれています。成人1日あたりの所要量は男性3.5~4.0mg、女性3.0~3.5mg、上限は10mgです。

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典の解説

マンガン【Mangan】

微量ミネラルのひとつ。元素記号はMn。健康な体を維持するために不可欠なミネラル。茶葉、種実類、穀類、豆類など、特に植物性食品に多く含まれる。体内で化学反応を促進する酵素補酵素の構成成分として、骨の石灰化や糖質脂質たんぱく質の代謝に働き、多くの酵素を構成する重要な役割をもつほか、神経機能の維持、記憶力向上、性機能・妊娠能力の減退予防、血糖値のコントロール、活性酸素を抑えて細胞膜の酸化・動脈硬化の予防などに効果が期待できる。

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世界大百科事典 第2版の解説

マンガン【manganese】

周期表元素記号=Mn 原子番号=25原子量=54.9380地殻中の存在度=950ppm(11位)安定核種存在比 55Mn=100%融点=1244℃ 沸点=2097℃比重=7.44(α‐マンガン),7.29(β‐マンガン),7.21(γ‐マンガン),7.21(δ‐マンガン)電子配置=[Ar]3d54s2おもな酸化数=II,III,IV,VI,VII周期表第VIIA族に属するマンガン族の金属元素の一つ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マンガン
まんがん
manganese英語
Manganドイツ語

周期表第7族に属し、マンガン族元素の一つ。1774年スウェーデンのK・W・シェーレによりその存在が推測され、同年、彼の友人ガーンJohan Gottlieb Gahn(1745―1818)は軟マンガン鉱(二酸化マンガンMnO2、酸化マンガン()ともいう)を油と木炭粉末で覆い、るつぼ中で強熱して金属マンガンを得た。軟マンガン鉱は当時、磁鉄鉱magnesの変種とも考えられていてmagnesiaとよばれていた。そのころ酸化マグネシウムもmagnesiaとよばれており、それを区別するため軟マンガン鉱を黒いmagnesiaおよびmanganeseとよんだ。そのためガーンは、ここで得た金属をmanganesiumとした。1808年ドイツのクラプロートはそれまでに発見されたmagnesiumとの混同を防ぐためMangan(ドイツ語)を提案した。また、古代ローマ時代、すでにガラスに加えて青緑色を消すため軟マンガン鉱を利用しており、これにちなんだギリシア語のmanganizo(浄化)、manganon(魔法)に、その名前の語源があるともいわれる。[守永健一・中原勝儼]

存在と製法

鉄に次いでもっとも広く分布する重金属であるが、遊離状態では産出しない。おもな鉱石は、軟マンガン鉱、ブラウン鉱3Mn2O3MnSiO3、水マンガン鉱Mn2O3H2O、サイロメレン鉱、菱(りょう)マンガン鉱などである。その他深海底などにはマンガンと鉄の酸化物がマンガン団塊として広く分布している。金属を得るには、二酸化マンガンを加熱して四酸化二マンガン()マンガン()MnMn2O4(四酸化三マンガンともいう)とし、これをアルミニウムとともに強熱するテルミット法があるが、品質のよいものが得られやすい電解法が主流である。硫酸マンガン()水溶液を隔膜の存在下で電解して電解マンガン(99.97%)を得る。また、鉄鋼の脱硫、脱酸、マンガン添加剤として用いる目的で、フェロマンガン(マンガン70~80%と鉄の合金)の形で製造される。フェロマンガンは、マンガン鉱石とくず鉄、コークス、石灰を電気炉内で強熱してつくる。
 マンガン鉱石は、日本では岩手県などにごく少量産出するが、ほとんどが南アフリカ、オーストラリアなどから輸入されている。2010年のマンガンの世界の生産鉱量は年間約1390万トンで、主要国はオーストラリア(約22%)、南アフリカ(約21%)、中国(約19%)である。[守永健一・中原勝儼]

性質

銀白色の金属。鉄に似た性質をもつが、鉄より硬くてもろい。α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)の4種の同素体がある。室温ではαが安定。727℃でβとなり、βは1100℃でγ、γは1138℃でδとなる。αとβは硬くもろく、γは柔軟。粉末は発火性があるが、塊では湿った空気中ではさび、加熱水を急速に分解して水素を発生する。希酸には水素を発生して溶け、淡紅色(マンガン()水和イオン[Mn(H2O)6]2+の色)の溶液となる。熱すると、ハロゲン、酸素、窒素、炭素などと直接化合する。化合物にみられるマンガンの酸化数は+~+と広範囲にわたる。このうち、+の酸化状態がもっとも安定で、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩などがある。+の塩(たとえば、酢酸マンガン()Mn(C2H3O2)3)は酸化剤である。フッ化物を除くと、ハロゲン化物は二価塩が得られるだけである。酸化物には+~+および+の酸化状態を含むものが知られる。酸化マンガン()は、濃塩酸とともに熱すると塩素を発生し、酸化作用を示す。この酸化力が乾電池に利用されている。酸化状態が変化しやすいため酸化還元反応の触媒ともなる。過マンガン酸塩は強力な酸化剤であり、マンガン酸塩の水溶液は不安定で不均化しやすい。[守永健一・中原勝儼]

用途

マンガンの添加により、強度、硬度、耐食性などの金属特性が改善されるので、鉄鋼および非鉄金属への合金添加剤として用いられる。たとえば、マンガン入り黄銅は、海水に対して耐食性があるため船のスクリューなどに使われる。また、マンガニン線(Cu80~85%、Mn10~15%、Ni2~5%、Fe1%)は、電気抵抗の温度係数が非常に小さいので、高級計測器の部品として用いられる。おもな用途は、特殊鋼(高級ステンレス鋼、電磁鋼板、非磁性鋼)や非鉄合金(アルミニウム合金、銅合金)、マンガン化合物の製造など。マンガン化合物には医薬、顔料、乾燥剤、酸化剤、分析試薬などの用途がある。すべての生物にとって必須元素であり、人体では微量元素として100万分の1程度含まれる。動物の飼料、植物の肥料などに炭酸マンガン()などを少量加えて、欠乏症を防ぐために用いられる。[守永健一・中原勝儼]

人体とマンガン

マンガンは人体に約15ミリグラム含まれ、その4分の1が骨、残りが肝臓、膵臓(すいぞう)、腎臓(じんぞう)などの臓器に含まれている。おもな生理作用は各種の酵素の構成成分で、酵素の作用を活性化することである。マンガンが不足すると成長阻害、骨格異常、糖質や脂質の代謝の異常などがおこる。また、過剰症には疲労、不眠、神経病などがある。通常の食事では不足や過剰の問題はないが、中心静脈栄養での不足例がある。食事からとるべき量については、「日本人の食事摂取基準」(厚生労働省)により、目安量、および過剰摂取による健康障害のリスクを下げるための上限量が設定されている。[山口米子]
『佐佐木行美・高本進・木村幹・杉下龍一郎・橋谷卓成著『新教養無機化学』(1986・朝倉書店) ▽日本化学会編『実験化学講座18 有機金属錯体』第4版(1991・丸善) ▽糸川嘉則編『ミネラルの事典』(2003・朝倉書店) ▽菱田明・佐々木敏監修『日本人の食事摂取基準2015年版――厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書』(2014・第一出版) ▽経済産業調査会編・刊『鉱業便覧』各年版』

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