メディアスクラム

デジタル大辞泉 「メディアスクラム」の意味・読み・例文・類語

メディア‐スクラム(media scrum)

社会関心が高い事件・事故において、マスメディア記者が多数押しかけ、当事者家族友人などの関係者、近隣住民などに対して強引な取材をすること。集団的過熱取材。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メディアスクラム」の意味・わかりやすい解説

メディアスクラム

事件や事故が起こった際に,被害者や容疑者とその関係者に多数の取材陣がどっと押し寄せ,過熱した報道を行なうこと。集団的過熱取材ともいう。行き過ぎた取材行動によって取材対象者のプライバシーを侵害したり苦痛を与えたりするほか,無関係な一般市民にも影響が及ぶ場合があり,問題視されている。1985年,豊田商事会長刺殺事件の際に各報道機関が現場に殺到し取材合戦を繰り広げた状況を,アメリカ合衆国の『ニューヨーク・タイムズ』紙が,「寄り合い報道」という意味で「パックジャーナリズム」pack journalismと批判的に称した。これがきっかけとなり,日本のジャーナリズムの病理現象を表すキーワードとして注目されるようになった。メディアスクラムを引き起こす要因の一つとして新聞や週刊誌過当競争やテレビの視聴率至上主義が指摘されるなか,2001年に日本新聞協会日本民間放送連盟が,マス・メディア界全体でこの問題に自主的に取り組むべきであるとの見解を示した。

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