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モクズガニ Eriocheir japonicus; Japanese mitten crab

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

モクズガニ
Eriocheir japonicus; Japanese mitten crab

軟甲綱十脚目モクズガニ科。内湾および河川で見られるカニで,各地でカワガニ,ケガニ,ズガニ,モクゾウガニなどと呼ばれる。甲は幅 6cm,丸みのある四角形で,額は波形にはり出し,また甲の前側縁には幅広い 3歯と痕跡的な 1歯がある。鋏は強大で,軟毛の房がある。秋に川から海に下り,春に産卵する。孵化したゾエアは 1ヵ月ほどの浮遊生活ののちメガロパとなり,初夏に川をさかのぼる。北海道から沖縄県,大韓民国(韓国)南西部,台湾,ホンコンに分布し,各地で食用とされるが,第1中間宿主のカワニナに次いで肺吸虫の第2中間宿主となるので生食は避けたほうがよい(→中間宿主)。2006年に,小笠原諸島父島母島に生息する個体群が新種オガサワラモクズガニ E. ogasawaraensis として記載された。(→甲殻類十脚類節足動物軟甲類

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百科事典マイペディアの解説

モクズガニ

ズガニ,モクタとも。甲殻綱イワガニ科のカニ。甲幅6cmくらい。甲は丸みのある四角形,額は横にまっすぐで,前側縁には3個の歯がある。色は青黒色,はさみの掌部に長い軟毛の房があり,腕節にも毛を生じるものが多く,これが藻くずをつけているように見えるのでこの名がある。
→関連項目カニ(蟹)特定外来生物

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世界大百科事典 第2版の解説

モクズガニ【Eriocheir japonicus】

十脚目イワガニ科の甲殻類(イラスト)。各地で食用にするカニで,カワガニ,ケガニ,ズガニ,モクゾウなどと呼ぶ地方も多い。しかし,ハイキュウチュウ(肺吸虫)の第2中間宿主になることがあるので,注意を要する。甲幅6cmほどで,甲の輪郭は丸みのある四角形。甲域は浅く分けられている。額は広く,前縁は波状に張り出している。甲の前側縁は深い切れ込みが二つと痕跡的な切れ込みが一つある。はさみ脚の腕節先端部,掌部,両指基部には長い軟毛が密生していて,これが藻くずをつけているように見えるのでこの名がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

モクズガニ
もくずがに / 藻屑蟹
Japanese mitten crab
[学]Eriocheir japonicus

節足動物門甲殻綱十脚(じっきゃく)目イワガニ科に属するカニ。各地でカワガニ、ケガニ、ズガニなどとよび、食用にする。樺太(からふと)(サハリン)、北海道から琉球(りゅうきゅう)諸島、朝鮮半島南部、台湾、香港(ホンコン)に分布し、小笠原(おがさわら)諸島からも知られている。甲幅6センチメートルあるいはそれ以上に達し、甲の輪郭は丸みのある四角形。額(がく)は波状に張り出す。甲の前側縁には幅広い3歯と痕跡(こんせき)的な1歯がある。はさみ脚(あし)は左右同大。掌部全面と両指基部に長い軟毛が密に生えており、表面は見えない。川の中流域で生活するが、産卵のために川を下り、2、3回産卵し、幼生を放出した約半年後にふたたび川を上る。一部の個体はそのまま潮間帯に残るらしい。近縁種のシナモクズガニE. sinensis(近年はチュウゴクモクズガニともよばれる)はシャンハイガニの名で食用として輸入されている。モクズガニによく似ているが、額歯、前側縁歯ともずっと鋭い。朝鮮半島の黄海沿岸、忠清南道付近でモクズガニと分布を接し、中国全土のクリークに生息する。現在ではヨーロッパ各地の河川にごく普通にみられるが、幼ガニが黄河か揚子江(ようすこう)から船倉の水とともに運ばれたと考えられ、甲殻類の人為的移住の好例となっている。[武田正倫]

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世界大百科事典内のモクズガニの言及

【チュウゴクモクズガニ】より

…日本産のモクズガニによく似た甲殻綱イワガニ科のカニで,甲幅8cmに達する大型種(イラスト)。かつてはシナモクズガニと呼ばれた。…

※「モクズガニ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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