精選版 日本国語大辞典 「ユーフラテス川」の意味・読み・例文・類語
ユーフラテス‐がわ ‥がは【ユーフラテス川】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
西アジアの大河。トルコ、シリア、イラクの3か国を流れ、ティグリス川と並び称せられる。アラビア語ではフラートFurāt川、トルコ語ではフーラトFirat川という。トルコ東部のアルメニア高原にカラスー川(別名西(バトウ)フーラト川)、ムラト川の二本の流れとして源を発し、西流して人造のケバン湖で合流してのちは、ユーフラテス川となって南へ流路をとり、南東トロス山脈を横切ってのちシリアに入る。その後はシリア、イラク領内をほぼ南東流し、シリア台地およびメソポタミア平原を蛇行しつつペルシア湾湾頭付近に至り、ティグリス川と合してシャッタル・アラブ川と名をかえ、ペルシア湾に流入する。全長約2800キロメートル。降水に恵まれた上流部のトルコ領内では、トフマ川、ペリ川など多くの支流をもち、アルメニア高原、アナトリア高原に複雑に谷を刻む。シリアに入ってのちもトルコ領から南流するバリフ川、ハブル川などをあわせるが、メソポタミア平原に入ると気候も乾燥するため、支流はすべて、ハウラーン・ワジなどの涸(か)れ谷を呈する。なお下流部は排水が悪く、ハマール湖をはじめ沼沢地が広がる。
ティグリス川に比べ水量豊かな支流を中流部で欠き、年間流水量はティグリス川の60%の26億トンにとどまる。春先にはアルメニア高原の融雪によって増水し、逆に初秋には減水する。ティグリス川とともに古代メソポタミア文明をはぐくんだが、今日でも用水路や揚水、溢流(いつりゅう)などの方法によって灌漑(かんがい)用水として広く利用され、小麦、大麦、米、ミレット、ナツメヤシ、野菜などの生産を支えている。流れの緩やかな中・下流域でも川底が浅いため、舟運の便には乏しい。第二次世界大戦後は水資源の総合開発事業が進行し、シリアでは1975年、ラッカ上流に灌漑・発電用のユーフラテス・ダムがソ連の援助で建設された。またトルコでは、1974年に完成した灌漑・発電用のケバン・ダムのほかにも、さらにその下流に発電用のカラカヤ・ダム、灌漑・発電用のアタチュルク・ダムの建設が進められている。
[末尾至行]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
トルコ,シリア,イラクを貫流する大河。ティグリス川とともに「両河」と呼ばれ,その流域に古代メソポタミア文明が栄えた。下流はティグリス川に合してペルシア湾に注ぐ。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
送り状。船荷証券,海上保険証券などとともに重要な船積み書類の一つで,売買契約の条件を履行したことを売主が買主に証明した書類。取引貨物の明細書ならびに計算書で,手形金額,保険価額算定の基礎となり,輸入貨...
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新