ラチオ[州](読み)ラチオ

  • Lazio

百科事典マイペディアの解説

イタリア中部の。英語ではラティウムLatium。州都ローマ。ティレニア海に面し,トスカナ,ウンブリア,アブルッツォ,モリーゼカンパニアの諸州に囲まれる。アペニン山脈からのびる丘陵地帯が多く,ローマの南にはカステリ・ロマーニカステル・ガンドルフォ)と呼ばれる中世都市も数多く残り,古代から現代までローマ市民の別荘地となっている。沿岸地域はマラリアが発生する沼地だったが,19世紀に干拓された。州経済の基盤は農業で,小麦,とうもろこし,野菜類である。古くはエトルリア人が居住し,いくつかの重要な遺跡が残っている。古代ローマ建国時は,ラティウムと呼ばれるテベレ川の東と南の限られた地域を指していたが,帝政期にはカンパニア州に接するまでに拡大した。8世紀に小ピピンがビザンティン領だったラチオをローマ教皇に寄進し,教皇領の基礎が築かれた。13世紀後半から教皇は真の世俗的統治者となり,15世紀以降教皇領は中・北部イタリアへ拡大された。1861年に成立した統一国家への併合に抵抗したが,1870年,イタリア王国の一州となった。面積1万7207km2,550万2886人(2011)。

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世界大百科事典 第2版の解説

イタリア中部の州。面積1万7203km2,人口519万(1994)。州都はローマ。州の東部にアペニノ山脈がのび,西・中央部は丘陵に覆われ,ティレニア海沿岸地域はマラリアが発生する沼地であったが,19世紀後半に干拓された。冬,夏の平均気温はそれぞれ10℃,25℃と温暖な気候に恵まれ,四季を通じて降雨量は少ない。ローマ周辺の農業地帯や南イタリアからの人口流入現象がみられるが,州経済の基盤は農業である。主要農産物は小麦,トウモロコシだが,園芸栽培のキャベツ,トマト,ブドウの生産量も多い。

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