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ラファイエット夫人 ラファイエットふじんLafayette,Marie-Madeleine Pioche de La Vergne, Comtesse de

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ラファイエット夫人
ラファイエットふじん
Lafayette,Marie-Madeleine Pioche de La Vergne, Comtesse de

[生]1634.3.18. 〈洗礼〉パリ
[没]1693.5.25. パリ
フランスの女流作家。生涯には不明な点が多い。パリのボジラール街にサロンを開き,田園詩人スグレ,セビニェ夫人,ラ・フォンテーヌ,ラ・ロシュフーコーら当時最高の文人と親交を結んだ。実録小説『モンパンシエ公爵夫人』 La Princesse de Montpensier (1662) ,スペインを舞台にした『ザイード』 Zayde (70) などがあるが,最高傑作は『クレーブの奥方』 La Princesse de Clèves (78) で,恋愛心理の的確な描写によって,フランス心理小説の伝統を創始した不朽の作品となっている。

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世界大百科事典 第2版の解説

ラファイエットふじん【ラファイエット夫人 Marie‐Madeleine Pioche de la Vergne,Comtesse de Lafayette】

1634‐93
フランスの作家。小貴族の技術将校を父としてパリに生まれ,知的環境に育つ。サロンでつとに令名を得,姻戚で《書簡集》の著者セビニェ夫人とは共にメナージュに師事する好敵手で親しい友でもあった。蒲柳の質厭世を口にするが公私ともに実務の才も豊かであった。娘時代から摂政母后アンヌ・ドートリッシュに仕え,結婚後は後の王弟妃アンリエットの侍女を務め,王弟妃の死後はサボア公妃のためにパリにあって情報官的役割を果たす。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ラファイエット夫人
らふぁいえっとふじん
Comtesse de Lafayette, Marie-Madeleine Pioche de La Vergne
(1634―1693)

フランスの女流作家。小貴族の出でパリに生まれ、メナージュGilles Mnage(1613―92)を師として文学的教養を身につける。娘時代から宮廷に出、地方貴族ラファイエット伯爵との結婚後もパリに住み、ルイ14世の王弟妃アンリエット・ダングルテールHenriette d'Angleterre(1644―70)の侍女を勤めるとともにサロンで「神々しき理性」(セビニエ夫人評)をうたわれる。1670年に発表された王弟妃の生涯と悲劇的な死を描いた『アンリエット・ダングルテール伝』(1720初版)は、彼女の作とされる珠玉の記録文学。同妃の死後もサボア公妃に仕えるなど宮廷生活の機微に通じる。姻戚(いんせき)でもあるセビニエ夫人のほかスグレJean Regnault de Segrais(1624―1701)、ユエPierre‐Daniel Huet(1630―1721)など有数の文人を友とし、とくに『箴言(しんげん)集』(1664~78)の著者で隣人のラ・ロシュフコーとは肝胆相照らす。
 作品はすべて匿名や没後刊行のため協力関係など問題は残すが、透徹した心理解剖と古典的な端正な構成で同時代の冗長な物語を抜き、近代恋愛心理小説の道を拓(ひら)いている。代表作『クレーブの奥方』(1678)のほか短編『モンパンシエ公爵夫人』(1662)、1718年に発表された『タンド伯爵夫人』、スグレの名で出た「物語」風の『ザイード』Zayde(1670)、1731年刊の『1688、89年フランス宮廷の記録』Mmoires de la Cour de France pour les annes 1688 et 1689などがある。[二宮フサ]
『生島遼一訳『クレーヴの奥方 他2編』(岩波文庫)』

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世界大百科事典内のラファイエット夫人の言及

【クレーブの奥方】より

…フランスの作家ラファイエット夫人の中編小説。無署名で1678年刊。…

※「ラファイエット夫人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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