ラーマ(1世)(読み)らーま(英語表記)Rama Ⅰ Chaophraya Chakri

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラーマ(1世)」の意味・わかりやすい解説

ラーマ(1世)
らーま
Rama Ⅰ Chaophraya Chakri
(1736―1809)

タイバンコク朝チャクリ朝ラタナコーシン朝)の創設者(在位1782~1809)。1782年精神錯乱に陥ったタークシンの後を受けてタイ国王に推挙されると、王宮をトンブリー対岸に移し、ここに新都を建設して、クルンテープ(通称バンコク)と名づけた。アユタヤ朝繁栄再興を目ざした王は、まず国民の精神的統合の中核を仏教に求め、経律の「結集(けつじゅう)」によって弛緩(しかん)した仏教サンガの規律を確立し、乱れていた法制の再建を図るため『三印法典』を制定して国内秩序回復の基礎を置いた。王はまた盛んに文芸を奨励した。『ラーマキエン』『イナオ』『サームコック(三国志)』などはこの時代の作品である。

石井米雄

『L・サヤマナン著、二村龍男訳『タイの歴史』(1978・近藤出版社)』

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旺文社世界史事典 三訂版 「ラーマ(1世)」の解説

ラーマ(1世)
Rama Ⅰ

1735〜1809
タイのチャクリ朝の創始者(在位1782〜1809)
アユタヤ朝の末期戦功によりチャクリの称号を授けられた。みずから王位につきラーマ1世と称し,首都をバンコクに移す。このためチャクリ朝をバンコク朝ともいう。王は外征のほか新法典も作成

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