リグ・ベーダ(読み)リグベーダ(英語表記)Ṛg-Veda

百科事典マイペディア 「リグ・ベーダ」の意味・わかりやすい解説

リグ・ベーダ

古代インドのバラモン教聖典ベーダ〉の一つ。インド最古の文献で,前1200年―前1000年ころに成立したとされる。10巻1028歌からなる。リグは〈賛歌〉の意で,神々への頌詞を集成したもの。諸神祭場に勧請するホートリ祭官が用いる。
→関連項目インドラ閻魔シバ(神)ソーマベーダ語ミュラー

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リグ・ベーダ」の意味・わかりやすい解説

リグ・ベーダ
Ṛg-Veda

インド最古の文献である4つのベーダの一つ。リグとは賛歌,ベーダとは知識,転じてバラモン教の聖典の意味となった。普通はブラーフマナなどを除いたサンヒター (本集) のみをさすことが多い。『リグ・ベーダ・サンヒター』はベーダのなかでも最も古いものであり,勧請僧 hotṛに属し,5派の伝承があったが,現存するのはシャーカラ派の伝本のみである。これは 1017の賛歌から成り,ほぼ前 1500~1000年に作製されたと推定され,主として暗誦によって伝えられた。もとは古代詩人が自然現象を神格化し,その諸神に対して捧げた宗教的賛歌であるが,さらに婚姻葬送,人生の歌,天地創造に関する哲学詩,十王戦争の歌などをも含み,古代インドの社会,生活,思想,歴史などを断片的に伝えている。ベーダの言葉は絶対神聖であり,天地よりも永遠であると考えられた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リグ・ベーダ」の意味・わかりやすい解説

リグ・ベーダ
りぐべーだ
g-veda

インド最古の聖典ベーダの一つ。そのサンヒター(本集(ほんじゅう))部分は紀元前1200年を中心につくられた。10巻よりなり、多数の神々への賛歌1028編(1万0462詩節)からなる。

[松濤誠達]

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