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リースマン Riesman, David

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

リースマン
Riesman, David

[生]1909.9.22. フィラデルフィア
[没]2002.5.10. ニューヨーク,ビンガムトン
アメリカの社会科学者。 1931年ハーバード大学卒業,34年に法学博士号を得,その後,弁護士,最高裁判所書記などの仕事についた。 37年にバッファロー大学の法学教授になり,47年にはシカゴ大学社会学教授となった。法律学の知識をバックに,社会学,社会心理学,人類学,教育学,経済学などの社会諸科学に精通し,その広い知識を駆使して現代社会分析にユニークな視点を提供している。 50年に発表した『孤独な群衆』 The Lonely Crowd (新版,1961,R.デニー,N.グラザーと共著) は,高度に産業化された大衆社会的状況にあるアメリカ人の社会的性格を「他人指向型」として描き出し,現代社会批判の書として高く評価されている。その後の著作に『群衆の中の顔』 Faces in the Crowd (52,グラザーと共著) などがある。

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百科事典マイペディアの解説

リースマン

米国の社会科学者。ハーバード大学教授。社会学を中心として社会心理,人口動態論,文明論等その視野は多方面にわたる。特に大衆社会における人間類型(他人指向型)を鮮明に描き出した《孤独な群集》(1950年)でその地歩を確立した。

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世界大百科事典 第2版の解説

リースマン【David Riesman】

1909‐2002
現代アメリカの代表的社会学者,社会批評家。ハーバード大学で生化学法学を修めたのち弁護士となる。1949年シカゴ大学教授,58年ハーバード大学教授。比較文化論あるいは文化人類学的方法,E.フロムら新フロイト派の精神分析学,歴史的方法,さらに社会学的調査研究などの成果を駆使しながら,〈豊かな社会〉とそこに生きる人間像を鋭く描きあげた。豊かな時代の豪華さと悲惨,成熟した産業社会ゆえに生じた都市と工業主義への静かな反逆,〈他人指向型〉という現代社会に支配的な社会的性格がもつ同調過剰とやさしさの対照,豊かさと利便性の代償である想像力枯渇と砂をかむようなむなしさ,そして資源と時間の浪費。

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大辞林 第三版の解説

リースマン【David Riesman】

1909~2002) アメリカの社会学者。現代社会に特徴的な社会的性格として「他人指向型」を唱える。主著「孤独な群衆」「個人主義の再検討」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

リースマン
りーすまん
David Riesman
(1909―2002)

アメリカの社会学者。フィラデルフィア生まれ。ハーバード大学卒業後、会社員、教師、地方検事補、弁護士の職を経てシカゴ大学社会科学部教授(1949~1958)、ハーバード大学教授(1958~1981)に就任した。その後同大学ヘンリー・フォード2世社会科学講座名誉教授。アメリカ社会学会理事(1956~1957)、アメリカ研究協会理事(1953~1960)を歴任。アメリカン・アカデミー賞受賞(1954)。彼の名を一躍有名にしたのは、代表作『孤独な群衆』(1950)であり、そのなかで「伝統指向型」「内部指向型」「他人指向型」という三つの人間類型を設定し、第二次世界大戦後の受動化したアメリカ中間層の社会的性格を「他人指向型」と類型化した。また人間類型の設定を深化させるため、『群衆の顔』(1952)で実証的に調査研究をも行った。さらに、アメリカの資本主義に関するT・B・ベブレンの制度的研究を批判し、新しい個人主義を主張した(『ソースタイン・ベブレン』1953)。彼の個人主義論、パーソナリティ論、現代社会論、教育論、余暇論、大衆文化論に関する洞察は、独創性に満ちている。ほかに『個人主義の再検討』(1954)、『何のための豊かさ』(1964)、『ハーバードの教育と政治』(1975、S・M・リプセットとの共著)、『高等教育論』(1980)、『二十世紀と私』(1982)などの著書がある。2002年5月10日ニューヨーク州ビンガムトンで死去した。[高島昌二]
『リースマン著、新堀通也他訳『大学教育論――教育社会学への試み』(1961・みすず書房) ▽加藤秀俊訳『孤独な群衆』(1964・みすず書房) ▽加藤秀俊訳『何のための豊かさ』(1968・みすず書房) ▽國弘正雄・久能昭訳『群衆の顔――個人における性格と政治の研究』(1968・サイマル出版会) ▽デイヴィッド・リースマン著、松本重治編、斎藤真他訳『現代文明論』(1969・みすず書房) ▽D・リースマン、I・リースマン著、加藤秀俊・鶴見良行訳『日本日記』(1969・みすず書房) ▽牧野宏他訳『個人主義の再検討』上下(1970~1974・ぺりかん社) ▽D・リースマン、J・ガスフィールド、Z・ガムソン著、荒木泰子訳『大学の実験――学問とマス教育』(1973・みすず書房) ▽喜多村和之他訳『高等教育論――学生消費者主義時代の大学』(1986・玉川大学出版部) ▽永井陽之助訳『二十世紀と私』(中公新書) ▽David Riesman Thorstein Veblen : A Critical Interpretation(1953, Charles Scribner, New York)』

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世界大百科事典内のリースマンの言及

【社会心理学】より

…(1)パーソナリティと社会的性格の研究 〈文化とパーソナリティ〉という視野の下での国民的性格,基本的パーソナリティなどの研究,またE.フロム,T.W.アドルノらによって推進された権威主義的性格の研究などがあげられる。〈他人志向型〉性格の提唱で知られるD.リースマンの大衆社会のパーソナリティの考察や,アイデンティティの危機を発達過程や社会的・歴史的経験と関連づけて追究しているE.H.エリクソンの業績なども重要である。(2)個人の行動や集団内行動の研究 実験的方法とデータの数量的処理によってとくに多くの研究が蓄積されている分野であり,認知やモティベーション(動機づけ)の研究,態度論,集団規範などの研究がそれである。…

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