ロシア・フォルマリズム(読み)ロシアフォルマリズム

百科事典マイペディア 「ロシア・フォルマリズム」の意味・わかりやすい解説

ロシア・フォルマリズム

1910年代半ばから1920年代のロシア(ソ連)の文学批評一派を指す。英語ではRussian Formalism。中心人物はオポヤーズ(詩的言語研究会)のシクロフスキーエイヘンバウムトゥイニャーノフモスクワ言語学サークルヤコブソン,ボガトゥイリョフP.G.Bogatyrov〔1893-1971〕らである。作品の文学性を言語の詩的機能や,事物の再認識である異化作用という面から特徴づけ,芸術における手法を重視し,素材を手法の動機付けとして見た。また文学史においては文学形式の自律的進化を主張した。反マルクス主義として厳しく論難され,政治的にも弾圧されたが,後のニュー・クリティシズムや物語論に強い影響を与えた。またフォルマリズムを内在的に批判して記号論を展開した批評家にバフチンがいる。
→関連項目異化効果詩学トドロフハートマン

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