ロシア文字(読み)ろしあもじ(英語表記)Русское письмо/Russkoe pis'mo ロシア語

日本大百科全書(ニッポニカ)「ロシア文字」の解説

ロシア文字
ろしあもじ
Русское письмо/Russkoe pis'mo ロシア語
Russian writing 英語

ロシア文字は33の字母からなる。スラブ語本来の文字としては、9世紀にギリシア文字の小文字等を基礎として成立したグラゴル文字と、9世紀末ごろにギリシア文字の大文字等を基礎として成立したキリル文字の2種が存在していた。ロシア文字は後者のキリル文字に由来し、歴史的に幾度かの文字改革を経て今日の形態をとるに至ったものであるが、現在では、ロシア連邦地域内の多数の非スラブ人の言語モンゴル語の文字としても使用されるようになっている。

[矢野通生]

『西田龍雄編『講座言語 第5巻 世界の文字』(1981・大修館書店)』


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百科事典マイペディア「ロシア文字」の解説

ロシア文字【ロシアもじ】

キリル文字とも。9世紀に聖人キュリロスギリシア文字の小文字をもとに,スラブ語を書くのに適したグラゴール文字を作ったといわれ,その弟子の聖クレメントはギリシア文字の大文字を使ってキリル文字を考案。どちらも古代教会スラブ語の文献に用いられている。現在ロシア語のほか,主に正教東方正教会)圏のスラブ語派の諸言語や,旧ソ連のいくつかの民族語に用いられる。
→関連項目ウイグル語キュリロスキルギス語セルビア・クロアチア語タタール語ブルガリア語ベラルーシ語マリ語文字

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「ロシア文字」の解説

ロシア文字
ロシアもじ
Russian alphabet

ロシア語ならびに旧ソ連内の他の多くの言語の表記に用いられているアルファベット。さらに,ブルガリアセルビアモンゴル国などで用いられている文字もロシア文字と呼ぶことが多い。すべてキリル文字母体としており,1708年のピョートル1世 (大帝) の文字改革で整えられた字体に基づく。言語ごとにそれぞれ多少の修正を施して用いている。

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精選版 日本国語大辞典「ロシア文字」の解説

ロシア‐もじ【ロシア文字】

〘名〙 広義のキリル文字の一つで、ロシア語で用いる文字体系の通称。主に教会で用いられた古いキリル文字をもとに、近代化・簡素化されて作られた。字母数三三(うち二つは記号字母)。ロシア連邦内の非スラブ系の民族やモンゴルでも手を加えて用いられている。→キリル文字

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デジタル大辞泉「ロシア文字」の解説

ロシア‐もじ【ロシア文字】

キリル文字をもとに、ラテン文字(ローマ字)に近い形に単純化・合理化されて作られた文字。音素文字で、字母数33。→キリル文字

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世界大百科事典 第2版「ロシア文字」の解説

ロシアもじ【ロシア文字】

ロシア語で用いる文字体系の通称で,現行のアルファベットは母音字母10,子音字母21,記号字母2の合計33字母から成る(表参照)。起源的には9世紀末ブルガリアで成立したキリル文字にさかのぼる。10世紀末キリスト教(正教)の受容とともにキエフ公国に入ったキリル文字は日用の文字体系として定着普及し,16世紀後半には金属活字による印刷もはじまったが,18世紀初頭近代化をめざすピョートル1世は,教会図書をのぞく一般書印刷の促進のために,1音1字の原則で字母数を整理するとともに,新しい字体を選んで〈民間活字〉33字母を制定した。

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