ロッキングチェア(その他表記)rocking chair

翻訳|rocking chair

デジタル大辞泉 「ロッキングチェア」の意味・読み・例文・類語

ロッキング‐チェア(rocking chair)

脚の下部弓形につなぎ、前後に揺り動かせるようにしたいす。揺りいす。
[類語]腰掛け椅子ベンチソファー座椅子回転椅子揺り椅子ひじ掛け椅子安楽椅子長椅子寝椅子床几しょうぎ縁台丸椅子止まり木デッキチェアスツールカウチ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ロッキングチェア」の意味・読み・例文・類語

ロッキング‐チェア

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] rocking chair ) 揺り椅子(いす)
    1. [初出の実例]「立派な安楽椅子とロッキング・チェアが備へ附けてある上に」(出典:永日小品(1909)〈夏目漱石〉過去の匂ひ)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ロッキングチェア」の意味・わかりやすい解説

ロッキング・チェア
rocking chair

前脚と後脚を2本の揺り子(ロッカーrocker)で接合し,前後に揺り動かすことができる椅子。アメリカで1760~70年代にB.フランクリンが発明したとみなされている。ロッカーは中世期の揺りかごに使われたが,これを椅子の脚に応用することは,それまで実施されていなかった。ロッキング・チェアにはウィンザー・チェア型とラダー・バック・チェア型の二つがある。1800年ころアメリカのボストンで作られたのは前者のタイプで,笠木に型紙を使って草花模様を施し,シートが湾曲し,しかも座面が低く,安定感と座り心地のよい椅子で,〈ボストン・ロッカーBoston rocker〉と呼ばれ,アメリカで広く愛用された。同じ頃アメリカのシェーカー教団は背もたれが3~4本の横木からなるラダー・バック・チェアにロッカーを取り付けた機能的な〈シェーカー・ロッカーShaker rocker〉と呼ばれるロッキング・チェアを生産した(シェーカー家具)。

 イギリスでは鋼鉄またはシンチュウ製で,揺り子,脚,座,背もたれを曲線構成にしたロッキング・チェアが1851年のロンドン万国博覧会に出品されて注目をあびた。60年代にはオーストリアM.トーネットがブナ材の曲げ木によるロッキング・チェアを生産し人気を博した。また97年にはグラスゴーの家具メーカー,アレクサンダー商会は〈スウィング・ロッキング・チェア〉と呼ぶ,台座の上に固定されて揺れる書斎専用の椅子を製作した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ロッキングチェア」の意味・わかりやすい解説

ロッキング・チェア

前脚と後脚が反りのある部材で接合され,前後に揺らすことができる椅子。1760年代―1770年代に米国でB.フランクリンが発明したとされる。揺り子(rocker)と呼ばれる反りの工夫は中世期の揺りかごに使われていた。シェーカー教徒が生産したもの(シェーカー家具),オーストリアのM.トーネットが1860年代にブナ材の曲げ木を用いて製作した椅子などが知られる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロッキングチェア」の意味・わかりやすい解説

ロッキングチェア
ろっきんぐちぇあ
rocking chair

休息用椅子(いす)の一種。脚の下に反りのついた弧形の台木がついていて、前後に揺り動かすことができるようになったものをいう。曲木(まげき)はこの形をつくるのに適しているため、曲木椅子にロッキングチェアの傑作が多い。休息姿勢のままで静かに揺れると安楽さが増して快適なため、欧米では広く普及している。しかし部屋が広くないと台木がじゃまになって使いにくい。

[小原二郎]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

家とインテリアの用語がわかる辞典 「ロッキングチェア」の解説

ロッキングチェア【rocking chair】

脚の下にゆるやかにカーブした台を取り付け、前後に揺り動かすことができる休息用の椅子(いす)。1760年代にアメリカの政治家ベンジャミン・フランクリンが考案したとされ、イギリス・アメリカで流行した。◇「揺り椅子」ともいう。

出典 講談社家とインテリアの用語がわかる辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロッキングチェア」の意味・わかりやすい解説

ロッキングチェア
rocking chair

休息用の揺り椅子。前脚と後脚を弓形に曲げたそり状の材でつないだもの。アメリカのニューイングランド地方が発祥地。 19世紀以後,欧米諸国に流行し,居間などで使われている。セーレムタイプとボストンタイプがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android