ロマネスク

精選版 日本国語大辞典の解説

ロマネスク

[1] 〘形動〙 (romanesque) 小説のように、数奇であったり情熱的であったりするさま。小説的。
※痩せた花嫁(1925)〈今東光〉「妾の平凡な身の上話だってロマネスクに聞えるでせう」
[2] 〘名〙 (Romanesque) 一〇世紀末から一二世紀にかけてヨーロッパ各地で行なわれた美術様式。元来は建築様式をさすが、彫刻・絵画・工芸などをも含む。ゲルマン的性格を基盤に、古代ヨーロッパの伝統と東方の影響をとり入れたゴシックに先立つ美術様式。彫刻・壁画で装飾された重厚な石造建築(教会堂)、ミニアチュールなどに特色がある。
※読書放浪(1933)〈内田魯庵〉銀座繁昌記「ローマネスク風の鼠色の建物が如何にも堂々たる感じを与へた」

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デジタル大辞泉の解説

ロマネスク(Romanesque)

[名]10世紀末から12世紀にかけて西欧に広まったキリスト教美術様式。古代ローマゲルマン民族などの様式に東方の影響も加わったもので、ゴシックに先立つ。特に重厚な教会堂建築に代表され、石造穹窿(きゅうりゅう)をはじめ、半円形アーチの多用が特色。ロマネスク式
[形動](romanesque)小説のように、数奇であったり情熱的であったりするさま。「ロマネスク半生

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ロマネスク
ろまねすく
romanesque フランス語

ロマンroman(小説)から派生した語で、小説のように奇異な、空想的な、伝奇的な、荒唐無稽(こうとうむけい)な、といった意味をもつ。文芸用語としては、奔放な想像力によって、現実の論理や事象の枠を超え、幻想の世界にまで飛翔(ひしょう)する性質をいう。しかしむしろ建築様式として用いられることが多く、ロマネスク建築といえば、つまりローマ風の円みある重厚な様式で、鋭角的なゴシックと対比される。

[船戸英夫]

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世界大百科事典内のロマネスクの言及

【カタルニャ】より

…イスラム支配は免れたが,馬蹄形アーチ,パルメットを溝彫した柱頭などのイスラムやモサラベの要素が入り込み(サン・ミゲル・デ・クシャ,リポル),かえって新しい活力を生む。例えば図柄を表面に残して地を彫りくぼめ細部を繊細に仕上げる溝彫技法は,11世紀初めのピレネー山麓の大理石工房で継続され,イスラム風の植物文に始まり,人物をアーチ形の枠にはめ込んで表すまでに発展し(サン・ジュニ・デ・フォンテーヌ),ロマネスク彫刻誕生の一局面をなしている(12世紀以降は逆に彫刻の新しい流れは南西フランスから入る)。ヘロナ大聖堂の刺繡(〈天地創造〉図)やカタルニャ美術館に数多く収められた壁画,テンペラの祭壇画,彩色木彫像(磔刑のキリスト,聖母子)には,強い色彩と輪郭の,表現力に富む民衆的な味わいの濃いロマネスク美術が認められる。…

【中世音楽】より

…ここでは,4世紀初めのローマ皇帝によるキリスト教公認から,キリスト教の権威の揺らぎはじめた14世紀までの,西欧の音楽を扱う。なお,西洋音楽史では,おおよそ850‐1150年をロマネスク時代,1150‐1450年をゴシック時代と呼ぶことがある。また,今日いろいろ議論されてはいるが,13世紀をアルス・アンティカ(古技法)の時代,14世紀をアルス・ノバ(新技法)の時代と呼ぶ慣習もかなり普及している。…

※「ロマネスク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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