中世の訴訟手続の一段階。訴人(原告)が訴状を裁判機関に提出し、手続的要件の審査を経て受理されると、論人(ろんにん)(被告)に弁明を求めるための問状(もんじょう)が出され、問状と訴状を受け取った論人は、陳状(答弁書)を提出して訴人の主張を弁駁(べんばく)する。これを三度繰り返す。訴人・論人とも3回ずつ書面によって自己の主張を表明するわけで、訴陳状と、必要な具書(ぐしょ)(証拠書類)を提出する。この手続は鎌倉幕府のもとで、とくに中期以降に典型的に発達した。三問三答が終わると、訴陳状だけで理非が明白ならばただちに判決が下るが、多くは裁判機関のもとで訴陳状を交互に張り継いで当事者が確認したうえ、法廷での対決(口頭弁論)を経て判決が下される。公家(くげ)・本所(ほんじょ)でも行われたが、二問二答の場合もあった。
[羽下徳彦]
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
中世の裁判手続で,裁判所を介して原告(訴人(そにん))と被告(論人(ろんにん))の書面による応酬が3回まで行われる場合があり(本解状―初陳状・初答状,二問状―二答状,三問状―三答状),これを三問三答といった。その後あるいは途中に訴人と論人は裁判所に出頭して口頭弁論(対決)を行い,判決にいたる。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…論人は応訴するならば陳状(支状(ささえじよう),申状ともいう)を提出する。この書面による弁論を3度繰り返すので三問三答という。訴状は解状(げじよう)とも,2,3度目は二,三問状とも重申状ともいい,訴陳状の交換を訴陳に番(つが)うという。…
…書出しに差出者を記すので最後の日付の下に差出者を記さないこと,宛所(あてどころ)がないことなどが本来的な特徴である。また,中世の裁判では,三問三答といわれるように数回の訴陳状の応酬があるのが普通で,最初の訴状を本解状,初問状,2回目と3回目を二問状,三問状,後者を総じて重訴状,重申状といった。訴状が提出されると,担当の役人・奉行の確認(裏封などの形をとった)を経て,論人に交付された。…
※「三問三答」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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