新潟・福島両県にまたがり、山岳、峡谷、湖など変化に富む国定公園。新潟県中東部にある守門(すもん)火山群と越後三山(魚沼(うおぬま)三山)および福島県、奥只見(おくただみ)の銀山平(ぎんざんだいら)を含めた県境山岳地の面積861.29平方キロメートルが、1973年(昭和48)自然環境保全と観光地として国定公園に指定された。2021年(令和3)には公園計画の変更で、これまでに指定された区域との地理的な連続性、風景の一体性、利用の連続性を考慮し、福島県の只見柳津(やないづ)県立自然公園全域とその周辺部の一部が追加され、総面積は1027.00平方キロメートルとなった。
守門火山群は鳥海(ちょうかい)火山帯に属する守門岳(1537メートル)、浅草岳(1585メートル)などのアスピ・コニーデ型の侵食火山で、守門岳信仰の霊山として登山客が多く、ブナの原生林景がすばらしく、お花畑もある。また、冬山スキー場としても知られる。登山口は魚沼(うおぬま)市の大白川(おおしらかわ)口、栃尾(とちお)盆地の栃堀(とちぼり)口、三条(さんじょう)市下田(しただ)地区の吉ヶ平(よしがひら)口の三つがある。越後三山は、もと魚沼三山ともよばれた越後山脈の八海(はっかい)山(1778メートル)、中ノ岳(2085メートル)、駒(こま)ヶ岳(2003メートル)の三山からなり、八海信仰の霊山として、いまも盛夏に数万人の講中登拝者でにぎわっている。登山口は六日町盆地の南魚沼市の大崎口と山口口が表口で、裏口としては銀山平の枝折(しおり)峠口がある。ニホンザル、ツキノワグマ、カモシカなどの生息地として知られ、冬山スキーツアーコースとしても有名。奥只見は1961年に完成した奥只見ダムによってできた人造湖の奥只見湖(銀山湖)を中心に、スキー場、キャンプ場もあり、湖上遊覧や荒沢岳登山なども楽しめる観光地で、山菜料理が名物。JR上越線小出(こいで)駅から奥只見シルバーラインのバス交通の便があり、約1時間半で達する。
2021年に編入された旧只見柳津県立自然公園とその周辺には、独特な里山風景が広がっている。只見川と阿賀川沿いにJR磐越(ばんえつ)西線と只見線、国道252号が走り、各地域の豊かな自然景観を車窓から眺望できる。紅葉の名所である銚子の口(ちょうしのくち)、5400年前の沼沢火山噴火でできたカルデラ湖である沼沢湖、大塩炭酸泉および滝沢川甌穴(おうけつ)群、緑深い大自然のなかに溶け込んだ大志(おおし)集落を俯瞰(ふかん)できる尻吹(しおふき)峠、第一只見川橋梁(きょうりょう)ビューポイントなどがある。只見川流域には、ブナなどの自然林が広範囲に広がり、ヤナギ類の河畔林などが点在する。
[山崎久雄・編集部]
『日本自然保護協会編『越後三山奥只見自然公園学術調査報告』(1968・国立公園協会)』
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