本成寺(読み)ホンジョウジ

デジタル大辞泉 「本成寺」の意味・読み・例文・類語

ほんじょう‐じ〔ホンジヤウ‐〕【本成寺】

新潟県三条市にある法華宗陣門流の総本山山号は、長久山。永仁5年(1297)日印開山で、青蓮華寺と称したが、のち師の日朗を招いて初祖とし、本成寺と改め、本門三大秘法の根本道場とした。

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精選版 日本国語大辞典 「本成寺」の意味・読み・例文・類語

ほんじょう‐じホンジャウ‥【本成寺】

  1. 新潟県三条市西本成寺にある法華宗陣門流の総本山。山号は長久山。永仁五年(一二九七創建開基は日印。開山は日朗。初めは青蓮華寺といった。本門三大秘法根本道場で、後奈良天皇勅願寺

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日本歴史地名大系 「本成寺」の解説

本成寺
ほんじようじ

[現在地名]三条市西本成寺一丁目

長久山と号し、法華宗陣門流総本山。本尊十界大曼荼羅。永仁五年(一二九七)日印によって開かれ、初め青蓮華しようれんげ寺と号したという。日印は文永元年(一二六四)寺泊てらどまり(現三島郡寺泊町)に生れ、三一歳の時、鎌倉日蓮の高弟日朗に帰依したという。長久山歴代譜(本成寺文書)によれば、越後に日蓮の教えを広めようと日印が牛に乗って薄曾根すすきそね村にさしかかると、牛が止まり、その跡から青蓮華が生じたので霊地と定めて一宇建立、青蓮華寺を号したという。翌六年四月八日には比丘尼浄妙を施主として、本尊釈迦如来像および脇侍の四菩薩像の造立供養が日印によって執り行われた(「日印本尊供養日記」同文書)。その後、本成寺と改称。日朗を初祖、日印を二祖とする。日印は嘉暦三年(一三二八)妙蓮みようれん(現新津市)で没するが、その前年一〇月八日に本成寺置文(同文書)を著わし、本門の三大秘法の根本道場であること、門徒道俗諸国貴賤は先師(日蓮)の遺法を守り、本成寺を門家の棟梁とすべきことを記している。


本成寺
ほんじようじ

[現在地名]八代市本町一丁目

山門はもと八代城の正門(欄干橋門)であったが、寛永一二年(一六三五)当寺に寄付された。その後火災にあうが、再建されて原形を保っている。泉福山と号し、日蓮宗、本尊十界曼荼羅。慶長一二年(一六〇七)加藤清正の嫡男忠正は江戸において死亡。翌年追善菩提のため宮地みやじ宗覚寺そうがくじの墓所に、妙音院日領を開山として本成寺を建立、寺領は五〇石であった。二世龍淵院日通の寛永一一年、現在地に移転した。その時に旧本成寺の本堂をもって泰松たいしよう(泰巌寺)を造営したという。


本成寺
ほんじようじ

[現在地名]平戸市戸石川町

誓願せいがん寺の南東にある。久遠山と号し、日蓮宗。本尊は日蓮。元和元年(一六一五)平戸藩主松浦隆信が京都本能寺の隆遥院日治を招請して鏡川の西久保かがみがわのにしのくぼに創建したと伝える。寛永一〇年(一六三三)の洛陽本能寺末寺帳に平戸島本成寺がみえる。延宝七年(一六七九)銘の五輪塔に日蓮・日像・日隆の三上人の名が刻まれる。正徳四年(一七一四)境内が狭いとして平戸城主松浦鎮信から寺地の寄進をうけて隣接地に移転。


本成寺
ほんじようじ

[現在地名]堺市寺地町東四丁

大阿弥陀経だいあみだきよう寺の西にあり、日蓮宗、山号登宝山、本尊十界大曼荼羅。不受不施を唱えた日親が文安元年(一四四四)播磨国東条とうじよう(現兵庫県加東郡東条町)での難を逃れて来堺した折、桔梗屋重兵衛の喜捨によって創建されたもの(日親上人御伝記)。日親は京都本法ほんぽう寺の開基で「立正治国論」などの著者として知られる。そのため当寺は本法寺末寺となり、本山老僧の隠居所となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「本成寺」の意味・わかりやすい解説

本成寺
ほんじょうじ

新潟県三条市西本成寺にある法華(ほっけ)宗陣門(じんもん)流総本山。長久山宝塔院と号する。本尊は十界大曼荼羅(じっかいだいまんだら)。1297年(永仁5)日印(にちいん)の開山。初め青蓮華寺(しょうれんげじ)と号したが、1313年(正和2)日印は鎌倉に至り、師の日朗(にちろう)を初祖に迎えた。長久山本成寺と命名され親書の曼荼羅、自彫の宗祖尊像、自画像の3点を授けられた。天文(てんぶん)法華の乱(天文法乱、1536)後、越後(えちご)諸将の保護を受け発展した。山門は禅宗様式の楼門で、1786年(天明6)の竣工(しゅんこう)。千仏堂は単層桟瓦葺(さんかわらぶ)き六角堂で、1813年(文化10)の上棟。毎年2月の節分会(せつぶんえ)の鬼踊、6月の千部会などが有名。

[田村晃祐]


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百科事典マイペディア 「本成寺」の意味・わかりやすい解説

本成寺【ほんじょうじ】

新潟県三条(さんじょう)市にある法華宗陣門(じんもん)流総本山。1297年日印(にちいん)が開創し,青蓮華(しょうれんげ)寺といったがのち改称。室町時代,日陣(にちじん)の時二派に分裂,陣門流の本寺となった。江戸期,代々の新発田(しばた)藩主の外護を受け寺勢を伸ばした。2月に行われる節分会は有名。
→関連項目日蓮宗

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