三遊亭円歌(2世)(読み)さんゆうていえんか[にせい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三遊亭円歌(2世)」の意味・わかりやすい解説

三遊亭円歌(2世)
さんゆうていえんか[にせい]

[生]1891.4.28. 新潟
[没]1964.8.25. 東京
落語家。本名田中利助。新潟中学校卒業。はじめ旅回りの素人一座で,三遊亭柳橋を名のって落語をやっていたが,やがて本職の落語家になることを決意。1915年 1世三遊亭円歌に入門し,三遊亭歌寿美,その後,1世三遊亭歌奴と改名。1921年真打ち昇進。1934年 2世三遊亭円歌を襲名吃音があったが,みごとに克服した。派手な芸風で,芝居好きだったところから『四段目』『七段目』などの芝居ネタを得意とし,『三味線栗毛』『紺田屋』など珍しいネタももっていた。円歌の名を世に出したのは,兄弟子の 3世三遊亭金馬作の新作落語『呼び出し電話』。電話がまだ珍しかった時代の風俗と円歌の明るい芸風があってラジオ時代に人気を博した。戦後も電話加入 30万台記念の新作落語コンクールで入選した『空巣の電話』(大野桂作)を口演。『社長の電話』(鈴木みちを作)とあわせて電話三部作と呼ばれた。門下に 3世三遊亭円歌,三笑亭笑三らがいる。

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