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上対馬 かみつしま

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

上対馬
かみつしま

長崎県対馬北東端を占める地域。旧町名。 1955年豊崎町と琴村が合体して発足。 2004年3月厳原上県豊玉美津島の5町と合併し対馬市となった。農業は自給用野菜栽培が主。山林所有の農家が多く,造林とシイタケ生産が行なわれる。中心集落の比田勝以南の東海岸は,1950~53年頃を最盛期として巻網漁業でにぎわったが,その後イカの一本釣りが中心となった。比田勝以北の海岸では 1967年頃から養殖漁業が進められている。比田勝から北九州市小倉に定期航路があり,北九州の経済圏に属している。比田勝にある権現山 (189m) は好展望地で朝鮮半島を望むことができる。北部の古里には史跡塔の首遺跡,鰐浦には天然記念物のヒトツバタゴ自生地がある。海岸のほぼ全域が壱岐対馬国定公園に属する。国道 382号線が通る。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

上対馬
かみつしま

長崎県北部、上県(かみあがた)郡にあった旧町名(上対馬町(ちょう))。現在は対馬市上対馬町(まち)地区。旧上対馬町は1955年(昭和30)豊崎(とよさき)町と琴(きん)村が合併して上対馬町となる。2004年(平成16)厳原(いづはら)、美津島(みつしま)、豊玉(とよたま)、上県、峰(みね)の5町と合併、市制施行して対馬市となる。旧上対馬町は、対馬の北東部に位置する。北端の鰐浦(わにうら)にある韓国展望所からは朝鮮半島を望みうる国境の町。中心の比田勝(ひたかつ)は海陸交通の要地で、かつては釜山(ふざん)航路の寄航地として栄え、現在は博多港から比田勝港へジェットフォイル、フェリーなどの定期航路があり、対馬縦貫道路(国道382号)の基点をなしている。また、釜山港へも船便(不定期)がある。加勢(かせ)ヶ浦には、船の位置測定などの電波(オメガ波)を発していた海上保安庁の鉄塔(通称オメガ塔)があり、これは455メートルと東京タワーをしのぐ高さをもっていた。しかし、通信衛星などの発展に伴い、1997年その役目を終え、2003年解体(一部モニュメントとして残る)、跡地は森林公園として整備された。海栗(うに)島(面積0.09平方キロメートル)にある海栗島分屯基地(航空自衛隊)は、防衛上もっとも重要なレーダーで広範な覆域(有効範囲)を有する。また、城(じょう)岳には海上自衛隊の無線中継所がある。海岸には半農半漁の小集落が散在し、一本釣りのほか、アワビ、サザエ、ウニ、ワカメの採取も行う。琴地区の茂木浜(もぎはま)は、日本海海戦で撃沈されたロシア艦アドミラル・ナヒモフの乗組員が捕らえられて保護された所であり、1980年代になってから引き上げられたナヒモフ号の大砲が置かれている。比田勝港の北東にある塔の首遺跡は、弥生時代後期の墓地で国指定史跡である。[石井泰義]
『『上対馬町誌』(1985・上対馬町)』

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