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壱岐対馬国定公園 いきつしまこくていこうえん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

壱岐対馬国定公園
いきつしまこくていこうえん

長崎県北部,玄界灘に浮かぶ壱岐対馬海岸中心とした自然公園。面積 119.46km2。1968年指定。壱岐は新第三紀層を覆って噴出した玄武岩台地の島で,西岸は沈水して出入りの多い海岸となっている。湯本湾岸にある湯ノ本温泉は,白山火山帯西端の温泉で,湾内に点在する手長島,牛島,阿瀬ノ島などは壱岐九十九島と呼ばれ,眺望がよい。島の南岸は海食崖が発達し,東海岸はリアス海岸となっているが比較的平らで砂浜海岸を交える。北海岸は新第三紀の丘陵を切断した断層海岸で,玄界灘の風波を受ける。国分寺跡などの史跡もあり,左京鼻,岳ノ辻などの好展望地に恵まれる。シイ,カシ類,ツバキなどを主体に暖帯性常緑広葉樹が多く,またスキヤクジャク,イワダレネズなどの珍しい植物が見られる。対馬では北部から南部にいたる海岸線一帯が国定公園の指定地域。中央の浅茅湾(あそうわん)のリアス海岸は景勝地として特に有名。北部の御岳,南部の竜良山(たてらやま)なども園域に含まれ,山地からは朝鮮半島を望むことができる。植物は豊富で,暖帯系と朝鮮から渡来した大陸系とを合わせて 1200種を数える。天然林として優れたものはカシ,シイ類を主とする竜良山原始林,アベマキ,チョウセンヤマツツジなど,大陸種の交じる白嶽原始林(しらたけげんしりん),モミ,ツガの大木からなる御岳原始林がある。動物では,ツシマヤマネコ,ツシマテン,コウライキジ,ツシマウマなどが生息している。両島とも,古くから大陸との交通の要地にあたっていたため,数多くの史跡,遺跡があり,弥生文化を伝える先住民族の遺跡も多い。海域は,壱岐辰ノ島海域公園地区壱岐手長島海域公園地区壱岐妻ヶ島海域公園地区対馬浅茅湾海域公園地区対馬神崎海域公園地区に指定されている。

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百科事典マイペディアの解説

壱岐対馬国定公園【いきつしまこくていこうえん】

長崎県の壱岐対馬の海岸部を主体とする国定公園。面積119.50km2。1968年指定。壱岐は牧崎の海食洞,赤瀬鼻,若宮島の海食崖,宇土湾,半城(はんせい)湾のリアス景観,湯野本温泉,対馬は浅茅(あそう)湾の溺れ谷(おぼれだに)景観をはじめ紺青(こんじょう)海岸,豆酘(つつ)湾,綱島海岸の海景,対馬市厳原(いずはら)の史跡が主要観光地。
→関連項目芦辺[町]厳原[町]勝本[町]郷ノ浦[町]対馬[市]長崎[県]美津島[町]

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大辞林 第三版の解説

いきつしまこくていこうえん【壱岐対馬国定公園】

長崎県、壱岐・対馬の海岸の景勝地を中心にした国定公園。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔長崎県〕壱岐対馬国定公園(いきつしまこくていこうえん)


長崎県の壱岐(いきの)島と対馬からなる国定公園。主として海岸部の景勝地が対象。陸域面積1万1946ha、海中公園5ヵ所計47.5ha。1968年(昭和43)指定。両地域とも、海食崖(かいしょくがい)・海食洞(どう)・リアス式海岸などの海岸景観に優れる。壱岐島では辰ノ(たつの)島の海浜植物群落、対馬は大陸系植物の原始林、ツシマヤマネコなどで知られる。元寇(げんこう)史跡など歴史的遺跡も多い。壱岐島は海食崖の辰ノ島や海食洞の牧崎(まきざき)、対馬は浅茅(あそう)湾の溺(おぼ)れ谷(だに)(リアス式湾入)などが観光名所。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

壱岐対馬国定公園
いきつしまこくていこうえん

長崎県の壱岐、対馬2島の海岸景勝部を中心にした国定公園。壱岐、対馬は九州本土と朝鮮半島との間に飛び石状に分布し、古来、日本と大陸との文化交流の中継地としての役割を果たした国境の島で、自然美とともに史跡に富む島として、1968年(昭和43)指定された。指定面積119.46平方キロメートル。
 壱岐、対馬には原の辻(はるのつじ)遺跡(壱岐)などの弥生(やよい)遺跡や、鬼ノ窟(いわや)古墳(壱岐)や保床(ほとこ)山古墳(対馬)をはじめとする古墳が多く、天平(てんぴょう)時代には島分寺(とうぶんじ)が建てられ、式内社は対馬に29座、壱岐に24座を数える。対馬には、朝鮮式山城の金田城(かなたのき)が築かれ、防人(さきもり)が置かれて、竜良(たてら)山など8か所に烽(とぶひ)が設けられた。また壱岐、対馬には元寇(げんこう)の史跡も多い。対馬の北端は韓国との距離わずかに50キロメートルで高麗(こうらい)山などの山地からは韓国の山々が望まれる。山地は標高500メートル内外の準平原で、矢立(やたて)山(649メートル)などのモナドノック(残丘)を有し、御岳(みたけ)の鳥類繁殖地(サンコウチョウ、ヤイロチョウなど)は国の天然記念物に指定されている。観光の中心は浅茅(あそう)湾の溺れ谷(おぼれだに)の景観で、付近に大船越(おおふなこし)瀬戸や万関(まんぜき)瀬戸がある。壱岐は玄武岩からなる低平な台地状の島で、集落は台地上の触(ふれ)(農業集落)と海岸の浦(漁業集落)に分化している。もっとも豪壮な自然景観は蛇ヶ谷(じゃがたに)(辰(たつ)ノ島)の海食崖(がい)である。左京(さきょう)鼻と牧崎はともに海食崖・洞穴と放牧の景観が優れている。筒城(つつき)浜、錦(にしき)浜の砂浜は美しく海水浴客でにぎわう。また、海域公園には壱岐の辰ノ島、手長島、妻ヶ島、対馬の浅茅湾、神崎がある。交通は、壱岐空港、対馬空港に福岡空港、長崎空港などから定期空路があり、博多(はかた)港などからの船便もある。[石井泰義]

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世界大百科事典内の壱岐対馬国定公園の言及

【壱岐】より

…そのほかに水産加工,麦焼酎の生産があるが,いずれも小規模な経営である。 1968年壱岐対馬国定公園に指定された壱岐は,全島にわたってリアス式海岸が発達し,海岸線はきわめて変化に富む。宇土湾や半城(はんせい)湾の景観,辰ノ島(海浜植物群落は天然記念物),左京鼻などの海食崖,蛇ヶ谷(じやがたに),鬼の足跡などの海食洞ほかの景勝地があり,また湯本湾に面して壱岐唯一の湯本温泉がある。…

【対馬】より

…地下資源は亜鉛,鉛を埋蔵し,東邦亜鉛が厳原町佐須地区の対州鉱山で採掘し精錬していたが,カドミウム公害の発生もあって73年に閉山し,めぼしい鉱工業は島から消えた。 変化に富んだリアス海岸と美しい自然林,多くの史跡に恵まれ,1968年壱岐対馬国定公園に指定された。72年には大型フェリーが厳原~博多間に就航,75年には対馬空港が美津島町に開設され,さらに対馬を縦貫する国道382号線も整備されつつある。…

※「壱岐対馬国定公園」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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