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不完全性定理 ふかんぜんせいていりincompleteness theorem

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

不完全性定理
ふかんぜんせいていり
incompleteness theorem

自然数論を含む理論では,Aが証明されても非Aが証明されても矛盾が起るような,命題Pが存在するという定理。 K.ゲーデルがこの定理を証明して以来,いわば数学の対象化としての性格が数学基礎論にもたらされ,20世紀後半における基礎論の隆盛にいたった。

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百科事典マイペディアの解説

不完全性定理【ふかんぜんせいていり】

ある体系内で定式化できるあらゆる命題に対して,その真偽がすべて決定できるとき,その体系は完全といわれる。不完全性定理とは〈自然数論を含む形式的体系が無矛盾ならば,それは完全ではない〉(ゲーデルの第1不完全性定理),〈自然数論を含む形式的体系が無矛盾ならば,その無矛盾性をその体系内から導くことはできない〉(ゲーデルの第2不完全性定理)をいう。

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世界大百科事典 第2版の解説

ふかんぜんせいていり【不完全性定理 incompleteness theorem】

ゲーデルの定理とも呼ばれる。形式的体系は,その体系内で定式化できるどんな命題Aに対してもAまたはその否定(¬A)が証明できるとき,完全であるといわれる。1931年,K.ゲーデルは超数学の算術化という手法を導入して,本質的に自然数論を含むような形式的体系Sが無矛盾であれば,Sは不完全であることを示した(第1不完全性定理)。彼は無矛盾よりも強い条件であるω‐無矛盾という仮定のもとでこれを証明したが,後にロッサーJ.B.Rosserは無矛盾という仮定で十分であることを指摘した。

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大辞林 第三版の解説

ふかんぜんせいていり【不完全性定理】

自然数論を含む形式的体系が無矛盾であれば、その体系内では真とも偽とも証明できない命題が存在するという定理。ゲーデルが証明。

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世界大百科事典内の不完全性定理の言及

【計算可能性】より

…したがって,Pが計算可能でないこと,つまり決定不能であることがわかる。
[論理との関係]
 計算可能性の概念はゲーデルの不完全性定理の証明でも重要な役割を果たしている。このように計算と論理は密接な関係にあるが,とくに近年になり構成的論理とλ計算との深い関係が明らかになり,論理が近代的なプログラミング言語の設計とその理論的基礎を与えるようになりつつある。…

【ゲーデル】より

…最初の著名な論理学上の業績として,第一階述語論理の〈完全性定理〉の証明がある(1930)。これに続いて〈不完全性定理〉を見いだした(1931)。これは20世紀前半における論理学および数学基礎論のもっとも重要な発見であり,ゲーデルの名を不朽ならしめた。…

※「不完全性定理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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