不調法(読み)ブチョウホウ

デジタル大辞泉 「不調法」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐ちょうほう〔‐テウハフ〕【不調法/無調法】

[名・形動]
行き届かず、手際の悪いこと。また、そのさま。「口が―でうまく言えない」「―者」
過失。不始末。粗相。「使用人の―をわびる」
酒や芸事のたしなみがないこと。また、そのさま。へりくだった気持ちを込めて用いる。「酒はとんと―でして」
[類語](1不束ふつつかつたない不肖野育ち至らぬ半人前青臭い未熟不慣れ不行き届き不十分不完全不備不徹底不敏浅はか浅薄浅慮浅才無考え愚か愚かしい足りない不見識無定見生半可 /(2不注意粗忽

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精選版 日本国語大辞典 「不調法」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐ちょうほう‥テウハフ【不調法・無調法】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) 行き届かないこと。つたないこと。手ぎわが悪く、下手なこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「若及合戦闘乱候者、彼等不調法事にて、〈略〉争又不痛存候乎」(出典高野山文書‐弘安六年(1283)六月二八日・開田准后法助書状)
    2. 「まだ昨日けふおこす道心 つくもただ無調法なる鐘の音〈望一〉」(出典:俳諧・犬子集(1633)一五)
  3. 過失。しくじり。そそう。不始末。
    1. [初出の実例]「あぢもよひかと仰られう所で、しらぬと云たらは、ふ調法にあらう」(出典:虎明本狂言・栗焼(室町末‐近世初))
    2. 「弾正出で来りて、『誰が、其鶴を損ぜしぞ』と問ひしに、十三郎は〈略〉『玄徳が、不調法致したり』と答へたり」(出典:尋常小学読本(1887)〈文部省〉五)
  4. ( 形動 ) 酒などをたしなまないことや、芸事や遊び事にうといことをへりくだっていう語。
    1. [初出の実例]「御大ほうはとも御ざれ、ぶてうほうなものでござる」(出典:虎明本狂言・庖丁聟(室町末‐近世初))
    2. 「何の芸能ありとも見えず。きはめて無調法(ブテウホウ)にて」(出典:仮名草子智恵鑑(1660)一)

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