デジタル大辞泉
「不肖」の意味・読み・例文・類語
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ふ‐しょう ‥セウ【不肖】
[1] 〘名〙 (形動) (「肖」は似る意。天に似ない、
賢人に似ない、あるいは父に似ないの意という)
① 愚かであること。また、そのさまやその人。諸事について、劣ること、至らないこと、未熟なことなどをいう。
※中右記‐大治四年(1129)一一月一二日「以二不肖質一為二氏長者一之間、始レ此之事出来歟」
※保元(1220頃か)上「身不肖に候へども、形のごとく系図なき
にしも候はず」 〔孟子‐公孫丑・下〕
② 特に子について、父の名をけがすような愚か者の意で用いる。
※性霊集‐八(1079)和尚奉為祈皇帝転読大般若経願文「堯子不肖、釈児狂狼」 〔史記‐五帝本紀〕
③ 不運・不幸であること。また、そのさま。
※太平記(14C後)二七「身の難に逢ひ不肖(セウ)なる時は」
④ 快くないこと。また、そのさま。
※浮世草子・
傾城歌三味線(1732)一「不肖な顔せずに客にせしが」
[2] 〘代名〙
自称。わたくし。自分をへりくだっていうのに用いる。〔日誌必用御布令字引(1868)〕
[補注]「文明本節用集」では、「不肖」に「ニタリ」の訓と「屑同。肖ハ似也」の
注記がある。「色葉字類抄」でも、「不肖 フセウ ホエス」とは別に「不屑
(モノノカスナラス) 同 フセウ」ともある。「屑」の
字音は「
セツ」であり、
本来「肖」とは
別字である。あるいは、「いさぎよしとせず」と訓ずる「不屑」との意味上の
近似から混同したものか。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「不肖」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報