浅はか(読み)あさはか

精選版 日本国語大辞典 「浅はか」の意味・読み・例文・類語

あさ‐はか【浅はか】

〘名〙 (形動) (「はか」は量の意かという。「浅墓」はあて字)
① 物の深度、奥行などが少ないさま。奥まった場所でないさま。
※枕(10C終)九九「屋のさまもはかなだち、廊めきて端ぢかにあさはかなれど、をかしきに」
② 考えが不十分なさま。思慮が足りないさま。また、心持などが浅薄なさま。考えに深みのないさま。
源氏(1001‐14頃)朝顔「あさはかなる筋など、もて離れ給へりける人の御心を、あやしくもありける事どもかな」
雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉下「返す返すも浅慮(アサハカ)の至り」
③ 通り一遍の、あっさりとしたさま。たいしたことでもないさま。かりそめ。
※源氏(1001‐14頃)須磨「『いける世のわかれを知らで〈略〉はかなし』など、あさはかに聞こえなし給へば」
あさはか‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「浅はか」の意味・読み・例文・類語

あさ‐はか【浅はか】

[形動][文][ナリ]
思慮の足りないさま。「浅はかな考え」「浅はかにも口車に乗ってしまった」
空間的に奥行きの浅いさま。
「―なるひさしの軒は」〈夕霧
深みがなく、あっさりしているさま。軽々しいさま。
「よろづに思ひ乱るれど、ひたぶるに―ならむもてなし」〈宿木
[補説]「浅墓」と書くのは当て字
[派生]あさはかさ[名]
[類語]浅浅浅浅しい不束ふつつかつたない不肖野育ち至らぬ半人前青臭い未熟不慣れ不調法不行き届き不十分不完全不備不徹底不敏浅慮浅才足りない不見識無定見生半可軽薄浮薄単純軽佻馬鹿愚か愚かしい馬鹿らしい馬鹿馬鹿しい阿呆らしい下らない愚劣無思慮ぶしりょ無考え浅薄せんぱく軽はずみ軽率笑止千万馬鹿臭い詰まらない阿呆臭い馬鹿げる笑い事笑止片腹痛い噴飯物噴飯笑い大笑い高笑い哄笑爆笑呵呵大笑抱腹絶倒笑い崩れる笑いける笑い転げる吹き出す腹の皮をよじ腹の皮を腹を抱える御中おなかを抱えるおとがいを解く愚にも付かぬへそで茶を沸かすへそ茶聞いてあきれるちゃんちゃらおかしい体良く空空しい白白しいわざとらしい心にもない受け流す取り繕う繕う猫をかぶる見せかけ表面的薄っぺら名目的皮相上面上辺表面外面的平面的化けの皮外見がいけん外見そとみ外面がいめん外面そとづら表向き見掛け外観みてくれ見た目見栄えなりふり

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