粗相(読み)ソソウ

デジタル大辞泉 「粗相」の意味・読み・例文・類語

そ‐そう〔‐サウ〕【粗相/×麁相】

[名](スル)
不注意や軽率さから過ちを犯すこと。また、その過ち。「お客様に―のないように」
大便小便をもらすこと。「子供が遊びに夢中で―する」
[名・形動ナリ]
粗末なこと。粗略なこと。また、そのさま。
「扇なども、賜はせたらむは、―にぞあらむかし」〈栄花・わかばえ〉
軽薄であること。そこつなこと。また、そのさま。
「ある―なる人、据え風呂を取りちがへ井戸へはまりけるが」〈咄・御前男・一〉
[類語](1失敗落ち度過失不手際過誤手違い失策失態不覚しくじり間違いへまどじぽかミスエラー/(2失禁おもらし垂れ流し遺尿寝小便おねしょ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「粗相」の意味・読み・例文・類語

そ‐そう‥サウ【粗相・疎相・麁相】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) そまつなこと。粗略なこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「扇なども、賜はせたらんは、そさうにぞあらむかしなど思て、〈略〉我絵師にかかせなどしたる人は」(出典:栄花物語(1028‐92頃)若ばえ)
    2. 「是へもってまいったあさなべは、そさうなで御ざるが」(出典:虎明本狂言・鍋八(室町末‐近世初))
  3. ( 形動 ) そそっかしいこと。軽率なふるまいをするさま。粗忽(そこつ)
    1. [初出の実例]「威なくかるがるしくそさうなれば」(出典:寸鉄録(1606))
    2. 「石を袂にひろひ入岩ほの肩によぢのぼれば、かけあがって和藤内いだきとめて、ヤイこりゃそさうすな心てい見付た」(出典:浄瑠璃・国性爺合戦(1715)唐船)
  4. ( 形動 ) あやまちをすること。失敗するさま。しくじり。不注意。粗忽。
    1. [初出の実例]「さて余の相(ソソウ)とはちがう程に、身に刃物をあてる事じゃ」(出典:波形本狂言・忠喜(室町末‐近世初))
    2. 「傍輩衆と狂ひやして、麁相(ソサウ)で柱へ前歯を打つけやして、つい欠(かけ)やした」(出典:咄本・都鄙談語(1773)入歯)
  5. ( 形動 ) ぶしつけであること。また、そのさま。失礼。非礼。粗忽。
    1. [初出の実例]「内の首尾を聞合せず案内するも麁相(ソサウ)なりと軒に立寄うかがへば」(出典:浄瑠璃大経師昔暦(1715)中)
  6. ( ━する ) 大・小便をもらすこと。
    1. [初出の実例]「無念ながらも嬉しかりけり みどり子が我にだかれつささうして」(出典:俳諧・新増犬筑波集(1643)油糟)

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