本州中央部を通り、関東・中部・近畿の各地方を結ぶ高速道路。管理は中日本高速道路。(1)起点の東京都杉並区から、八王子市、山梨県大月市を経て、富士吉田市(インターチェンジは富士河口湖町)に至る富士吉田線、(2)大月市で富士吉田線と分岐し、甲府市、長野県諏訪(すわ)市、飯田(いいだ)市を経て、愛知県小牧市で東名高速道路に接続し、兵庫県西宮(にしのみや)市に至る西宮線、(3)長野県岡谷市で西宮線と分岐し、千曲(ちくま)市で関越自動車道上越線に接続する長野線(長野自動車道)の3路線がある。延長は、杉並区―富士河口湖町間100キロメートル、大月市―小牧市間273キロメートル、小牧市―西宮市間192キロメートル、岡谷市―千曲市間76キロメートルで、総延長は635キロメートル。山梨県上野原(うえのはら)市―大月市間、京都市―大阪府吹田(すいた)市間、滋賀県栗東(りっとう)市―大津市間は6車線、その他は4車線である。
富士吉田線は1976年(昭和51)に全通、西宮線は1982年に、長野線は1993年(平成5)に全通している。路線中、長野・岐阜県境の中央アルプスを貫く恵那(えな)山トンネルは、全長8.6キロメートルである(関越自動車道の関越トンネル約11.1キロメートルが日本で最長)。西宮線のうち、小牧市―西宮市間は名神高速道路と通称され、日本初の高速道路として1965年(昭和40)7月に全通している。2010年度(平成23)時点では、1日の利用台数は平均28万台であった。
[下保 修]
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東京都から岡谷市,小牧市を経て西宮市に至る532kmの西宮線,岡谷市から長野市に至る92kmの長野線および大月市~富士吉田市に至る23kmの富士吉田線からなる,全長647kmの高速道路。小牧~西宮間は名神高速道路と通称され,1965年7月に完成した。小牧~東京間の完成は1982年11月で中央自動車道と呼ばれ,世界有数の美しい山岳高速道路である。1993年3月に完成した長野線(長野自動車道と呼ばれる)と合わせて中部地方の内陸部の大動脈であり,内陸3県を東京,名古屋に直結して,農工業を振興し,すぐれた観光資源の国民的利用を可能にし,また混雑する東名高速道路の代替ルートの機能も果たしている。また建設中の上信越自動車道と合わせて北陸地方への通路ともなる。長野県と岐阜・愛知県を従来にくらべて数時間短縮して直結する恵那山トンネル(全長は上り線8649m,下り線8489m,道路トンネルとしては日本で4位)をもっている。名神高速道路を除いた1996年度の交通量は約30万台/日,料金収入は約1661億円。設計速度は60~80km/hで,当初は全線ほぼ4車線であったが,交通量の増加に対応するため一部区間の6車線化が進んでいる。
執筆者:武田 文夫
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