丼とは飯茶碗(ぢゃわん)の約3倍の容積量の食器で、この中にご飯を入れ、調味した具と汁をかけた料理を丼物という。丼物は江戸時代では品の悪いものとされていた。丼物の元祖はうな丼(どん)である。文政(ぶんせい)年間(1818~30)、芝居の興行に出資していた大久保今介(いますけ)はうなぎ好みで、毎日のようにうな丼を大野屋から芝居の楽屋へ届けさせていた。当時は温飯を丼(どんぶり)に盛り、蒲焼(かばや)きは別に保温して届けていた。今介は、丼に熱い飯を盛りその中間に蒲焼きを入れて持ってくれば、保温にもなるしそのまま食べられるからと、大野屋にそのように作製させた。これがうな丼の始まりであるという。深川丼は、バカガイまたはアサリの混ぜご飯で、江戸の後期に創作された。親子丼は、東京・中央区の玉秀という鳥料理屋で明治初期に創作したもの。他人丼は、牛肉か豚肉を卵でとじたもので、親子丼より後の大正中期からのものとみられる。卵丼は、かき玉を多くして、それに好みの材料を加えるが、とくに卵だけでつくることもある。鉄火丼は、鉄火巻きの応用で、この名称は大正初期から一般に用いられている。マグロの角切りを酢飯の上に並べ、もみのりをふりかけた丼物である。カツ丼(どん)は、昭和10年ごろからのもの。牛丼(ぎゅうどん)は、明治中期以降盛んになり、「牛めし」の看板の専門店があったが、値段は格安であった。牛丼のことを「かめめし」「開化丼(どんぶり)」ともいった。福島県の郷土丼料理「ずきんはずし」は、ダイコンの古漬けと納豆を用いたものである。
[多田鉄之助]
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