出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
神奈川県南西部,静岡県との境にあり,箱根外輪山北部を過ぎる峠。標高1005m。大和朝廷時代東国と西国を結んだ官道碓氷(うすい)道が通っていた。現在は乙女峠道路(1984年無料開放)の乙女トンネルが貫通している。峠からの富士山および箱根カルデラの眺めがよい。かつて,この峠は御厨(みくりや)峠,御留(おとめ)峠などと呼ばれた。1619年(元和5)箱根に関所(箱根関)が置かれた時,仙石原には番所がおかれ,1626年(寛永3)には仙石原関所となり,箱根裏街道の取調べが行われた。この関所で旅人達はしばしば足止めされたため,この峠を御留峠と呼ぶようになったという。また仙石原に住んでいた親思いの娘が,病に苦しむ父を助けるため,毎夜御殿場竹之下の地蔵尊に祈願の参拝にこの峠を越し,満願となった日,娘は父の身代りとなって,この峠で倒れたという悲話によって乙女峠と呼ばれるようになったという伝説もある。
執筆者:大木 靖衛
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
神奈川県南西部、足柄下(あしがらしも)郡箱根町(はこねまち)と静岡県御殿場市(ごてんばし)との境にある峠。標高1005メートル。峠の名は、かつて仙石原(せんごくはら)の孝養深い乙女が、冬の間、父の病気回復祈願のために峠の地蔵に百日参りをし、満願の日の帰途、雪中で凍死した悲話によると伝えられる。箱根火山の嶺線(れいせん)を越える峠で、丸岳(1156メートル)と金時山(きんときざん)(1212メートル)の間の鞍部(あんぶ)にあたる。古東海道の箱根越えの最古道(碓氷(うすい)道)の峠といわれ、富士、箱根の展望や、箱根火山の地学的観察の最適所。明治以後は車道(現、国道138号)が丸岳の南の長尾峠を迂回(うかい)することとなったが、1964年(昭和39)峠下にトンネル(標高810メートル)が開かれて、乙女道路が通じている。ここから稜線(りょうせん)づたいに北方の金時山―足柄峠へのハイキングコースが開ける。御殿場駅、小田原駅からバスが通ずる。
[浅香幸雄]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…町の中心付近には日本五大稲荷の一つ太鼓谷稲成(たいこだにいなり)神社があり,開運・産業の神として西日本各地の信仰を集めている。津和野駅北方の乙女峠にあるマリア聖堂は,1868年(明治1)から73年まで明治新政府によって配流・迫害された長崎浦上のキリシタンを記念して建てられたものである。また京都八坂神社を勧請(かんじよう)した弥栄(やさか)神社(祇園社)には鷺舞が伝わり,7月20日と27日の例祭に奉納される。…
※「乙女峠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新