二酸化チタン(読み)ニサンカチタン

化学辞典 第2版「二酸化チタン」の解説

二酸化チタン
ニサンカチタン
titanium dioxide

TiO2(79.87).3種類の結晶形が存在し,天然にも3種類の変態,ルチル(rutil),鋭すい石(anatase),板チタン石(brookite)として産出するが,ルチルがもっとも普通である.いずれも融点1640 ℃.3000 ℃ 以上で分解する.人工的には,四価のチタン塩水溶液の加水分解により得られた含水酸化物を強熱するか,四塩化チタンを高温気体状態で酸素と反応させると得られる.含水酸化物を焼くことにより得られるものは,通常,鋭すい石型であるが,高温で焼くとルチル型となる.四塩化チタンと酸素との反応で得られるものはルチル型である.密度4.26 g cm-3.二酸化チタンはアルカリ,硫酸に可溶,冷水,熱水,その他の酸に不溶.微粉末状の二酸化チタンはチタン白の名の顔料として,塗料,ゴム,繊維,樹脂,磁器,研磨剤,金属チタンの製造原料,化粧品,紫外線防止剤,光触媒,光電極などに広く利用されており,天然産,あるいは人工的に粉末状の二酸化チタンを溶融してつくった塊状の二酸化チタンは,チタニアという名で宝石として使用されている.[CAS 13463-67-7:TiO2(ルチル)][CAS 1317-70-0:TiO2(アナターゼ)]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)「二酸化チタン」の解説

二酸化チタン
にさんかちたん
titanium dioxide

チタンと酸素の化合物。酸化チタン(Ⅳ)とも、チタニアtitaniaともよばれる。チタン(Ⅳ)塩水溶液の加水分解で沈殿した水酸化チタン(Ⅳ)を強熱すると得られる。天然にはルチル(金紅石正方晶系)、鋭錐石(えいすいせき)、板チタン石(斜方晶系)のそれぞれ結晶構造の異なる鉱物として産出する。アルカリと硫酸には溶けるが、それ以外の酸と水には溶けない。磁器の原料となるほか、微粉末化したものはチタンホワイト(チタン白)ともよばれ、塗料、印刷インキ、化粧品、ゴム、繊維、紙、樹脂などに顔料として利用される。医薬品にも保護剤として使われ、紫外線防止の効がある。溶融して塊状に仕上げたものはチタニアの名で人工宝石として利用される。藤嶋昭(1942― )と本多健一(1925―2011)による二酸化チタン電極光触媒効果(本多・藤嶋効果)の発見(1968)から、光触媒としての開発研究が活発に続けられている。

[岩本振武]

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デジタル大辞泉「二酸化チタン」の解説

にさんか‐チタン〔ニサンクワ‐〕【二酸化チタン】

チタンの酸化物の一、酸化チタン(Ⅳ)。チタンの酸化物の中で最も安定で、天然には金紅石きんこうせき正方晶系)、鋭錐石えいすいせき(正方晶系)、板チタン石斜方晶系)などの鉱物として産する。酸化チタン。チタニア。化学式TiO2

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