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五重塔 ごじゅうのとう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

五重塔
ごじゅうのとう

幸田露伴中編小説。 1891年 11月~92年3月,新聞『国会』連載。腕は抜群だが愚鈍なため「のっそり」とあだ名される大工十兵衛が,江戸谷中の感応寺五重塔建立の仕事を川越の源太と争い,さまざまな妨害にも屈せず,ついに完成するまでの屈曲を描く。

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五重塔
ごじゅうのとう

5層の屋根をもつ層塔で,日本の大寺院建築様式の典型の一つ。初層は,四天柱を四隅とし,内陣といわれる部屋に,仏像,壁画などを安置する。2層以上は中空で,部屋を構成していない。最上層の屋根は中心に相輪を立て,宝珠,水煙,九輪などで飾られている。

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デジタル大辞泉の解説

ごじゅうのとう【五重塔】[書名]

幸田露伴の小説。明治24~25年(1891~1892)発表。五重塔建立に執念を燃やす大工のっそり十兵衛の、芸術にかける名人気質を描く。

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世界大百科事典 第2版の解説

ごじゅうのとう【五重塔】

5層建ての仏塔。日本の仏塔は木造が一般的で3層と5層のものが多いが,古代の寺で百済大寺法勝寺では九重塔,国分寺には七層塔も建てられた。内部に仏舎利を奉安することを本来の目的とし,古くは伽藍の中心的存在であったが,7世紀末から双塔式伽藍ができ,やがて回廊外に置かれるようになる。しかし,塔の建立は功徳とされ,平安時代には多数の仏塔が生まれ,これを巡礼する行も広まった。外観は基壇,塔身,相輪からなる。中央に心柱(しんばしら)または刹柱(さつちゆう)が独立し,その上部が相輪となる。

ごじゅうのとう【五重塔】

幸田露伴の小説。1891‐92年(明治24‐25)《国会》に連載。露伴24歳の作で,彼の全作品中でも最もよく知られる初期の代表的小説。のっそり十兵衛と呼ばれる腕はいいが世渡りの才覚のつたない大工が,恩義ある親方の川越の源太と張り合って,辛苦の末ついに谷中(やなか)感応寺の五重塔をみごとに完成するという物語。主人公の十兵衛は妥協を知らぬ偏屈な名人気質で,一編は近代的な意味での芸術家小説として読むこともできよう。

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大辞林 第三版の解説

ごじゅうのとう【五重塔】

五層の仏塔。地・水・火・風・空の五大をかたどったもの。
書名(別項参照)。

ごじゅうのとう【五重塔】

小説。幸田露伴作。1891年(明治24)~92年新聞「国会」に連載。五重塔建立のためにすべてをかける大工の情熱と執念を描く。男性的な理想を描く芸道小説。

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世界大百科事典内の五重塔の言及

【安国寺】より

…このうち利生塔は,真言・天台など旧仏教の大寺に設ける方針であったが,山城,相模,駿河などでは五山派の禅寺に設けられた。現在遺構はないが,京都八坂法観寺の五重塔ほか28ヵ国の利生塔の所在が認められる。全体では五重塔が多かったが,三重塔の場合もあった。…

【耐震構造】より

…現在の建築基準法に従って建てられる木造建築は,平面的なねじれを生じないように,また2階建ての場合上下階の強度に不つりあいが生じないように,壁や筋かいの配置に十分の配慮が払ってあれば,地震に対する不安はほとんどないといってよい。 五重塔は古来地震で倒れたという記録がない。その耐震性は第1に,心柱が上から下まで貫通していて,五つの層に同じような変形を強制し,どこかの層が局部的に倒壊するのを防止しており,同時に周期を長くしていること,第2に塔を構成している柱,なげし,斗肘木(ますひじき)などの部材が相互に緩く結合されていて,いわゆる〈ガタ〉によってエネルギーを吸収していることと考えられる。…

【塔】より

…なお,経巻を舎利の代りに納めたものがあり,これを法舎利という。
[木造塔]
 木造塔は三重塔,五重塔,多宝塔が多く,七重塔は東大寺および各国国分寺に,九重塔は百済大寺および法勝寺に建てられたが今はなく,十三重塔は興福寺や笠置寺などにもあったが,今は多武峰(談山神社)に一つを残すだけである。平面は方形が普通で,西大寺,法勝寺などに八角塔があった。…

【感応寺】より

…感応寺は江戸の富くじ興行で有名となり,湯島天神,目黒不動とともに江戸の三富と呼ばれた。また,当寺にあった五重塔は幸田露伴の《五重塔》のモデルとして知られる。【中尾 尭】。…

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