人払い(読み)ヒトバライ

デジタル大辞泉 「人払い」の意味・読み・例文・類語

ひと‐ばらい〔‐ばらひ〕【人払い】

[名](スル)
密談などをするため、他の人をその場から遠ざけること。「人払いして内々の話をする」
貴人通行の際、往来の人を去らせること。
[類語]排斥排他除名排除疎外排撃擯斥ひんせき指弾爪弾き厄介払い仲間外れ村八分締め出す弾き出すロックアウトシャットアウト

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「人払い」の意味・読み・例文・類語

ひと‐ばらい‥ばらひ【人払】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 密談の際、他の人を席から遠ざけること。
    1. [初出の実例]「H'tobarai(ヒトバライ)デ ミツダンスル」(出典:和英語林集成(初版)(1867))
  3. 貴人の通行の際、往来の人を去らせること。
    1. [初出の実例]「華表(とりゐ)の方より人払(ハラ)ひ、勅使のお入りとざざめけば」(出典:浄瑠璃神霊矢口渡(1770)五)
  4. 天正一九年(一五九一豊臣秀吉の実施した戸口調査。一村ごとの家数・人数などのほか、奉公人・町人百姓の区別なども記入させるもので、のちの人別改(にんべつあらため)にあたる。
    1. [初出の実例]「従当関白様六十六ケ国へ人掃之儀、被仰出候之事」(出典:吉川家文書‐天正一九年(1591)三月六日・安国寺恵瓊佐世元嘉連署事書状)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

旺文社日本史事典 三訂版 「人払い」の解説

人掃
ひとばらい

1592年,豊臣秀次が実施した戸口調査
「人払」とも書く。1村ごとの戸数・人数・性別老幼などを調査記録し,提出させた。目的は,戸口を把握して農民逃散を禁じ,封建制基盤を確保するため。朝鮮侵略のための動員準備ともいう。

出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android