(読み)ジュウ

デジタル大辞泉 「什」の意味・読み・例文・類語

じゅう【什】[漢字項目]

[音]ジュウ(ジフ)(呉)
軍や隣組組織で、十人一組の単位。「什伍じゅうご
ふだん用いる器物。「什器什具什物じゅうもつ家什
一〇編でひとまとまりの詩歌詩編。「佳什かじゅう篇什へんじゅう
難読什麼生そもさん

じゅう〔ジフ〕【×什】

10。10人。10家。また、10を単位としたもの。
詩経」のしょうの各10編。また、単に漢詩10編。
詩歌。また、詩編。
「時折の―をこの篇の作者のところへ」〈佐藤春夫晶子曼陀羅

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精選版 日本国語大辞典 「什」の意味・読み・例文・類語

じゅうジフ【什】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 数量の一〇。また、古代中国で、行政・軍制などで、一〇人、一〇家など、十を単位とする一組。
    1. [初出の実例]「軍法に五人を伍と云、十人を什と云ぞ」(出典:史記抄(1477)三)
    2. [その他の文献]〔管子‐立政〕
  3. 詩経で、雅、頌の各一〇篇のこと。転じて、詩歌、または、詩篇
    1. [初出の実例]「奉宿旧居之什」(出典文華秀麗集(818)中)
    2. [その他の文献]〔江総‐皇太子太学講碑〕
  4. じゅう(十)

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普及版 字通 「什」の読み・字形・画数・意味


4画

[字音] ジュウ(ジフ)
[字訓] とお・あつまる

[説文解字]

[字形] 会意
人+十。什伍は十人・五人を合文としたもので、甲骨文にその書法がある。〔説文〕八上に「相ひ什保するなり」とあって、隣保の制をいう。〔詩〕の〔雅〕〔頌〕は十ずつを合わせて「鹿鳴の什」「の什」のようにいう。分数を示すときにも用い、什三は十分の三の意である。

[訓義]
1. ひと十人、いえ十家、詩十
2. とお、十倍、十等分。
3. あつまる、まじる。
4. くさぐさの器物、什器。

[古辞書の訓]
名義抄〕什 アツム・マナブ・タスク・スケ・カナフ・マジハル

[語系]
什・十zjipは、集dzip、雜(雑)dzp、dziutと同系の語で、ものをまじえあつまる意のある語である。

[熟語]
什一・什器・什具・什伍什襲什長什伯什物・什什宝什麼什吏
[下接語]
佳什・家什・嘉什・雅什・近什・高什・詩什・章什・新什什・麗什

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