軍法(読み)ぐんぽう(英語表記)military law

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

軍法
ぐんぽう
military law

一般市民と異なる環境,規律のもとにある軍人,軍属,あるいは戦域,占領地域または駐留地域の住民に対する法体系。多くの国では,憲法の規定内で,軍法を定める (アメリカの憲法では,議会に軍法制定権を与えているが,旧ソ連はアメリカ,イギリスに比べ軍法が一般法と独立した存在となっていた) 。各国とも戦時 (特に敵前での行為) については,一般法にみられぬきびしい規定を設けているが,平時においては (特に民間人あるいは軍務外での犯罪行為には) 一般刑法などの適用を受けるように定める場合が多い。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぐんぽう【軍法】

兵法と同義に戦略,戦術の意に用いた例もあるが,一般には軍律,軍令を意味する。日本古代の軍令は軍防令に規定があり,違反者に対する罰則は〈律〉にも条文のあったことが推定されている。近代兵制のもとでは1921年軍人軍属に関する刑事裁判を管轄する機関として軍法会議が設置された。戦国大名近世大名が軍団の統制,戦闘能力強化のため制定した軍法としては,1553年(天文22)9月の毛利氏軍法,59年(永禄2)3月の今川義元定書,67年の武田信玄条目などが早期の制定に属するものであろう。

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大辞林 第三版の解説

ぐんぽう【軍法】

軍隊内の法律。軍の規則や刑罰。軍律。
戦術。兵法。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ぐん‐ぽう ‥パフ【軍法】

〘名〙
① 戦争の方法。戦略。戦術。兵法。陣法。〔応永本論語抄(1420)〕 〔漢書‐高帝紀・下〕
軍隊規則。軍紀。軍律。
※続日本紀‐延暦二年(783)四月辛酉「如有違犯、以軍法之」 〔礼記‐燕義〕
③ 「ぐんぽうしゃ(軍法者)②」の略。
※随筆・独寝(1724頃)下「女房持た客は床をもってしると、軍法の楠女郎、諸葛孔明が顔していふも尤ながら」

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世界大百科事典内の軍法の言及

【軍学】より

…兵学,兵法ともいう。軍学は一般に隊伍・兵器の配合,軍役の数などを論ずる軍法が中心と思われがちだが,その内容は,出陣・凱旋・首実検などの式を定める〈軍礼〉,武器の製法・製式を論ずる〈軍器〉,戦略・謀計を論ずる〈軍略〉,そして〈軍法〉,雲気・日取り・方角の吉凶を占う〈軍配〉に分けられ,その奥義は軍配とされる。中世より軍学は《七書》や〈八陣,遁甲〉など中国軍学の強い影響下に,仏教・道教など雑多な要素をもって形成され,軍配を中心とした《兵法秘術》(1354),《訓閲集》(1417),《兵術軍敗》(1503)などの著述があるが,実戦への影響は分明ではない。…

【軍事司法制度】より

…軍隊の規律・秩序を維持するため,軍の構成員の規律違反その他の犯罪行為に対し,多くの国には一般の司法制度とは別の法体系による軍事司法制度が存在し,軍法,軍刑法等によりその処理方針などを規定している。この制度の歴史は軍隊や戦争の出現とともに古く,古代ローマ時代から存在し,戦場の指揮官には部下の軍人,軍属のいかなる犯罪に対しても刑罰を科する権限が与えられていた。…

※「軍法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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