伊弉諾神宮(読み)イザナギジングウ

デジタル大辞泉 「伊弉諾神宮」の意味・読み・例文・類語

いざなぎ‐じんぐう【伊弉諾神宮】

兵庫県淡路市にある神社。旧官幣大社祭神伊弉諾尊いざなぎのみこと伊弉冉尊いざなみのみこと国土を生み終えて、この地で亡くなった伊弉諾尊幽宮かくれのみやに始まるという。淡路国一の宮多賀大明神。

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精選版 日本国語大辞典 「伊弉諾神宮」の意味・読み・例文・類語

いざなぎ‐じんぐう【伊弉諾神宮】

  1. 兵庫県淡路市多賀にある神社。旧官幣大社。祭神は伊邪那岐命伊邪那美命。「日本書紀」に見える伊邪那岐命の幽宮(かくれみや)とされる。昭和二九年(一九五四伊弉諾神社を現名に改称。延喜式内名神大社。淡路国一の宮。多賀宮淡路島明神。津名神。いっくさん。

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日本歴史地名大系 「伊弉諾神宮」の解説

伊弉諾神宮
いざなぎじんぐう

[現在地名]一宮町多賀

郡家ぐんげ川左岸の平地にある。祭神は伊弉諾尊・伊弉冊尊。淡路国一宮で、旧官幣大社。「いつくさん」ともよばれる。「延喜式」神名帳記載の津名郡九座のうち、名神大社の「淡路伊佐奈伎イサナキノ神社」は当社に比定される。「日本書紀」神代上に伊弉諾尊が国土や神々を生み終わった後、かくれ宮を淡路の洲(くに)に造り隠れたとある。社伝ではこれを当社の創建とし、現在の本殿の下にその陵墓があるという。大同元年(八〇六)の牒(新抄格勅符抄)には「津名神」とみえ、淡路国に封一三戸とある。津名郡の大社であるところから津名神ともよんだのであろう。なお天慶三年(九四〇)九月一三日の官符により「伊佐那支命神」に淡路国で新封五戸が加えられている(同書)。貞観元年(八五九)一月二七日には無品勲八等伊佐奈岐命に一品が授けられた(三代実録)。永万元年(一一六五)六月には淡路国一宮は炭五〇籠・木五〇束を神祇官に貢進するよう定められ(「神祇官諸社年貢注文」宮内庁書陵部所蔵文書)、貞応二年(一二二三)の淡路国大田文では津名郡郡家ぐうけ郷の項に一宮社一所、同神宮寺一所と記されており、当社が平安末から鎌倉初期には一宮とよばれ、また神宮寺が存在していたことがうかがえる。

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改訂新版 世界大百科事典 「伊弉諾神宮」の意味・わかりやすい解説

伊弉諾神宮 (いざなぎじんぐう)

兵庫県津名郡一宮町(現,淡路市)に鎮座。伊弉諾尊,伊弉冊(いざなみ)尊をまつる。《日本書紀》に,伊弉諾尊は〈幽宮(かくりのみや)を淡路の洲(くに)につくりて,しずかに長く隠れましき〉とあり,その幽宮が本社の起源という。淡路島の多賀にあるので多賀明神とも称し,806年(大同1)には神封13戸が充てられた。859年(貞観1)には,無品勲八等伊佐奈岐命に神位一品が授けられ,延喜の制では名神大社に列せられた。平安時代の末ころから淡路国の一宮となり,1885年官幣大社となる。例祭4月22日。1月15日粥占(かゆうら)祭という特殊神事がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「伊弉諾神宮」の意味・わかりやすい解説

伊弉諾神宮
いざなぎじんぐう

兵庫県淡路(あわじ)市多賀(たが)に鎮座。祭神は伊弉諾命(いざなぎのみこと)、伊弉冉命(いざなみのみこと)。伊弉諾命はこの淡路の地にて亡くなったと伝えられ、その幽宮が本社であるといわれている。806年(大同1)神封13戸を授けられ、『延喜式(えんぎしき)』では名神(みょうじん)大社に列している。平安末期には淡路国一宮となり、一宮大神とも称され、当地住民の崇敬を集め、1885年(明治18)官幣大社に列格した。列格当時は伊弉諾神社と称していたが、1954年(昭和29)伊弉諾神宮と改称した。例祭は4月21、22日。特殊神事として正月15日に粥占(かゆうら)祭、6月1日に御田植祭が行われる。

[吉井貞俊]


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百科事典マイペディア 「伊弉諾神宮」の意味・わかりやすい解説

伊弉諾神宮【いざなぎじんぐう】

兵庫県津名郡一宮町(現・淡路市)に鎮座。旧官幣大社。伊邪那岐(いざなぎ)命・伊邪那美(いざなみ)命をまつる。延喜式内の名神大社。淡路国の一宮。多賀明神とも。例祭4月22日。ほかに粥占(かゆうら)祭(正月15日)など。
→関連項目伊弉諾尊・伊弉冉尊一宮[町]

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