会津美里(町)(読み)あいづみさと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「会津美里(町)」の意味・わかりやすい解説

会津美里(町)
あいづみさと

福島県西部、大沼郡にある町。2005年(平成17)大沼郡会津高田町(あいづたかだまち)、会津本郷町(あいづほんごうまち)、新鶴村(にいつるむら)が合併して成立。会津盆地の南西部に位置し、町の南部にある山地盆地の南縁となっている。北部に平坦地が広がる。JR只見(ただみ)線、国道401号が通じる。磐越(ばんえつ)自動車道が通過、新鶴スマートインターチェンジが設置されている。農林業が主産業で、稲作のほかに葉タバコ、ホップ栽培、製材なども行われている。特産に高田のウメ、新鶴の薬用ニンジンがある。本郷地区は窯業が盛んで、日用雑器を生産する本郷焼で知られる。8月には「せと市」も開かれている。

 町役場のある高田は宮川沿いの微高地にあり、下野(しもつけ)裏街道の宿場として栄え、六斎市(ろくさいいち)も開かれていた。本郷は蘆名盛氏(あしなもりうじ)の築いた向羽黒山城(むかいはぐろやまじょう)の城下町で、下野街道(会津西街道)の宿場町でもあった。新鶴地区には縄文遺跡、古墳、条里遺構などがみられる。

 多くの文化遺産が残されている。竜興寺の『一字蓮台法華(れんだいほけ)経』は国宝。国指定重要文化財として、伊佐須美神社(いさすみじんじゃ)の朱漆金銅装神輿(みこし)、法幢寺(ほうどうじ)の銅造阿弥陀(あみだ)如来および両脇侍(わきじ)立像、法用寺の厨子(ずし)および仏壇と木造金剛力士立像、福生寺観音堂、常福院薬師堂(田子薬師堂)、弘安寺の旧観音堂厨子と銅造十一面観音および脇侍がある。向羽黒山城跡は国指定史跡。面積276.33平方キロメートル(境界一部未定)、人口1万9014(2020)。

[編集部]


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