物体をある一方向に伸ばす変形をいう。縮みもまた負の伸びと考えてよい。伸びには2種類がある。一つは、幅を変化しないように保つ場合で、ずりとともにもっとも単純な変形の一つである。ほかは、側面が自由になっているために、伸びとともに幅が縮む場合である。前者の伸びに対する弾性率(張力と伸びひずみの比)は、弾性的等方体ではL=K+(4/3)Gで表される。Kは体積弾性率、Gはずり弾性率である。このような伸びは縦波(たてなみ)弾性波(音波)において表れるので、Lは縦波弾性率ともよばれる。後者の伸びに対する弾性率はヤング率で、ヤング率EはE=9KG/(3K+G)と表される。
[和田八三久・西 敏夫]