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信家 のぶいえ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

信家
のぶいえ

室町時代末期の尾張の鐔 (つば) 工。鉄地,厚手の板鐔に自然文や器物を毛彫したものが多く,まれに尾張鐔風の簡単な透かし鋤彫を加えたものがある。甲冑師明珍 (みょうちん) 派の 17代信家とは別人。

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デジタル大辞泉の解説

のぶいえ〔のぶいへ〕【信家】

桃山時代の鐔工(たんこう)。鉄の鐔(つば)に毛彫りの文様やその題目、兵法の歌などを刻し、金家(かねいえ)と並ぶ名工といわれた。甲冑師(かっちゅうし)明珍派の名工信家とは別人とされる。生没年未詳。

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百科事典マイペディアの解説

信家【のぶいえ】

室町末期の鐔(たん)工。甲冑(かっちゅう)師明珍(みょうちん)の17代にあたり,甲州に住して武田家に仕えたという。作品は厚みのある木瓜(もっこう)形や撫角(なでがく)の鉄鐔(つば)で,亀甲,つる草などを地文に使い,戦国武士の思想や信仰などを文字に表したものが多く,豪快な味わいをもつ。
→関連項目鐔/鍔

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

信家 のぶいえ

?-? 織豊時代の鐔(たん)工。
元亀(げんき)-天正(てんしょう)(1570-92)ごろの尾張(おわり)(愛知県)の人。作品は実用的で,木瓜(もっこう)形・撫角(なでかく)形・円形の鉄鐔に亀甲(きっこう)・文字・唐草(からくさ)などを毛彫りしたものがおおい。甲冑(かっちゅう)師の明珍(みようちん)信家とは別人。

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朝日日本歴史人物事典の解説

信家

生年:生没年不詳
室町末期から桃山時代にかけての鐔工。尾張国(愛知県)に住した。彼と相前後する時代に現れた金家と共に日本の鐔工を代表する存在である。同名の鐔工が芸州(広島県)をはじめ各地に散在しており,また明珍家系統の甲冑師にも同名があるが,いずれも別人とみなされている。作風は,尾張透し鐔風のものと文様や文字を線刻で表したものとのふたつに大別されるが,いずれも同時代の金家とは全く別趣を呈し,実用性を重視した頑丈で剛健なものが多い。形は丸形のほかに木瓜形を好み,厚手板鐔に亀甲,蔓朝顔,蔓瓢箪,桐唐草,桜花文などを毛彫りしたものや題目,歌などを文字で表したものがある。菊花印を点々と施した,よく鍛え抜かれた鉄の地肌は,それだけで美しいが,控えめで素朴な調子の文様に深い味わいを与えている。文字を入れた鐔には「南無妙法蓮華経」の題目のほか,「運有天(運は天に有り)」「きりむすぶ太刀の下こそ地獄なれ一足ふみ込めそこは極楽」「あな楽や人を人と思はねば我をも人は人と思はぬ」といった信仰や人生観,さらに武道の極意の歌などが書かれている。こうした文字入りの鐔は,明日の生死すら知れぬ戦国の世の武人たちに好まれ,またその心に強く訴えかけたものと想像される。単なる鐔の装飾的意味あいから,一歩踏み込んで当時の時代精神そのものの一端が表されているといっても過言ではない。信家の鐔は,どのような趣向の拵(刀装)にもよく映えるため,江戸時代にいたっても盛んに愛玩された。代表的な作に,重要文化財「巴透し鐔」(東京国立博物館蔵)や黒田家伝来の国宝の太刀「名物へし切長谷部」の刀装につけられていた「題目に斧透し鐔」「松葉文鐔」「網目文鐔」などがある。

(加島勝)

出典|朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版
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世界大百科事典 第2版の解説

のぶいえ【信家】

室町時代から桃山時代にかけての尾張国の鐔工。同名が芸州その他各地に,また明珍系の甲冑師にもいるが,これらとは別人とみられる。作品は実用性を強調した厚手の木瓜(ぼけ)形,竪丸形の鉄板が多く,まれに車透(くるますかし),巴透(ともえすかし)などの透鐔もみられる。特に鍛えぬかれた鉄の地肌は美しく,文字,亀甲文,唐草,松葉などを浅く毛彫りした地文には質朴な味深さがあり,あらゆる(こしらえ)にかけてもよく調和するため,江戸時代には賞翫された。

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大辞林 第三版の解説

のぶいえ【信家】

安土桃山期の鐔工たんこう。抜群の造形と鉄味によって、金家とともに鐔工の双璧とされる。甲冑師かつちゆうしの明珍信家とは別人とみなされる。鉄の板鐔に毛彫りを施したものが多い。生没年未詳。

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世界大百科事典内の信家の言及

【鐔∥鍔】より

…室町末期から桃山時代にかけて,山城国伏見の地に鐔の専門工として金家が現れ,鐔にはじめて絵画風の文様を表した。ほぼ同じころ尾張に信家がおり,鍛えのよい鉄鐔に,毛彫で文字や草花を巧みに表現した。桃山時代に入り,京や尾張に透彫の鉄鐔をもっぱら製作する集団があり,従来の透彫鐔に一段の進歩をみせた。…

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