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俸禄制度 ほうろくせいど

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

俸禄制度
ほうろくせいど

俸禄とは,もと官職についたものへの報酬を意味する漢語であり,奈良時代にもその用語はあったが,歴史上特別の意味をもつ俸禄制度は,江戸時代のそれで,武士が家臣として主君から禄米を受ける制度,もしくはその制度を伴う政治機能一般をさす。俸禄は秩禄ともいわれ,本来主君の意志次第で増減もしくは没収される性質をもち,やがて世襲化して家禄,世禄とも呼ばれるようになった。これより先,武士の家臣としての主君に対する奉仕の反対給付は知行 (ちぎょう) と呼ばれ,土地と住民の直接支配をたてまえとしていたが,兵農分離の結果,家臣団の城下町集住,知行の形式化が起り,土地と住民の直接支配に代って一定規模の領地の貢租額に相当する禄米を主君の米蔵から支給されるようになり,家臣の臣従の由来や家族の功績によって定められた身分格式に応じて,知行取 (知行高を維持してその一定割合を玄米で支給される上級身分) ,切米取 (きりまいとり。1年数回に分けて支給される玄米の額が石または俵で示される中級身分) ,扶持取 (1日5合の割合で何人分として玄米を受ける下級身分) などの別があった。いくつかの藩ではなお給所の指定を伴う地方 (じかた) 知行を残していたが,その場合も貢租の収納率や住民の処分権は著しく限定され,租米の収納が主君の米蔵を通して行われることもあった。武士以外の商人,学者,僧侶が,武士に準じて俸禄を受けることが多く,城内で生活する女中,小者などには米でなく給金の支払いが行われることが多かった。知行,切米とも,藩財政の必要上,減少もしくは未払 (借上) となることがしばしばあり,また金銭に換算されて支給されることもあった。俸禄制度は 1876年の金禄公債発行をもって廃棄された。 (→扶持 )  

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