(読み)チョウ

デジタル大辞泉 「兆」の意味・読み・例文・類語

ちょう〔テウ〕【兆】

古代占いで、亀の甲を焼いてできる裂け目の形。転じて、物事が起こる前ぶれ。きざし。しるし。「災い
数の単位。1億の1万倍。10の12乗。古くは中国で1億の10倍。「八円の予算
[類語]じゅうゼロ一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ八つ九つとお

ちょう【兆】[漢字項目]

[音]チョウ(テウ)(漢) [訓]きざす きざし
学習漢字]4年
きざし。「兆候吉兆凶兆前兆
数の単位。億の一万倍。また、数の多いこと。「兆民億兆
[名のり]とき・よし

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精選版 日本国語大辞典 「兆」の意味・読み・例文・類語

ちょうテウ【兆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 古代、うらないのとき、亀甲を焼いてできる裂け目の形。うらかた。ひいて、物事の起こる前ぶれ。きざし。しるし。
    1. [初出の実例]「兆非白燕。性是朱魯」(出典:本朝続文粋(1142‐55頃)四・京極前大相国公辞摂政第一表〈大江匡房〉)
    2. [その他の文献]〔国語‐晉語一〕
  3. 数の単位。億の一万倍。京の一万分の一。ただし、古代中国では、一〇億を兆とすることもある。また、転じて、数の多いことにもいう。
    1. [初出の実例]「兆 テウ 十億曰兆」(出典:色葉字類抄(1177‐81))
    2. [その他の文献]〔戦国策‐楚策・威王〕

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普及版 字通 「兆」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

(異体字)
8画

[字音] チョウ(テウ)
[字訓] うらかた・きざし・かず

[説文解字]

[字形] 象形
亀卜(や)けたわれめの形。〔説文三下に正字をに作り、「龜をきて(さ)けたるなり。卜に從ふ。象形」とあり、〔説文〕二上に「は、るるなり」とあり、別の初文。兆は亀版中央の千里縫を界として、左右対称にく形。卜はその一鑽(さん)一(しやく)の形。左右に排して兆となる。卜兆によってことを予兆し、またその兆証とする。別に数に用い、万・億・兆を十進法で数えた。

[訓義]
1. うらかた、亀卜のうらかた、うらなう。
2. きざし、はじめ、しるし。
3. かぎり、くぎり、地域。
4. 祭祀を行う。
5. 塋域、葬域、墓域、祭壇、卜して定めた地域。
6. かず、十億。

[古辞書の訓]
名義抄〕兆 キザス 〔字鏡集〕兆 シルス・ハジメ・ハジム・ウラナフナリ・ワカツ・キザス・カタチ

[声系]
〔説文〕に正字をに作り、兆をその古文とする。兆声として(逃)・跳・誂・眺・窕など二十二字を収める。卜のとき、はじけて裂けるので、そのはずんだ勢いの意をもつものが多く、擬声的な語が多い。

[語系]
兆()dizjiは声義近く、(しよう)は〔説文〕三下に「卜問なり」とあり、兆を求めることをいう。

[熟語]
兆域・兆億兆卦兆基・兆形・兆見兆献・兆古・兆候兆祀・兆始兆庶・兆祥・兆象・兆人・兆数・兆姓兆占・兆端兆朕・兆・兆物・兆民・兆類兆黎
[下接語]
億兆・佳兆・卦兆・嘉兆・姦兆・基兆・機兆・亀兆・吉兆・丘兆・休兆・凶兆・形兆・啓兆・郊兆・祥兆・兆・瑞兆・占兆・前兆・体兆・宅兆・壇兆・徴兆・朕兆・敗兆・萌兆・夢兆・予兆・乱兆

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