裁判で被告に渡すべき訴状などの書類の送り先が分からない場合に、渡したとみなす手続き。原告の申し立てに基づき、裁判所の書記官が書類を保管し被告が来ればいつでも渡すことを裁判所に掲示する。掲示から2週間の経過をもって相手方に送達したことになり、被告の居場所が不明でも裁判を進めることができる。
更新日:
出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
民事訴訟法上の特殊な送達方法の一種で,送達すべき書類を,送達を受けるべき者が出頭すればいつでも交付する旨を裁判所の掲示場に掲示(呼出し状の場合はそれを貼付)することによって行う(民事訴訟法111条)。当事者に主張・立証の機会を与え審理の充実を期するには,現実の通知(正規の方法は送達)が必要であるが,当事者の住居所その他送達場所が知れない場合や,外国で嘱託送達の方法がとれないかその効果がないと認められる場合など,他方の当事者に裁判を受ける機会を確保するためにやむをえない事情があるときは(110条1項),いわば最後の手段として公示送達の道がある。公示送達は,原則として当事者の申立てにより裁判長の許可があった場合に行われるが,訴訟の遅滞を避けるために必要がある場合は,例外的に職権によることもできる。いったん公示送達がなされると,同一当事者に対するその後の公示送達は書記官が職権でする。掲示の日から2週間を経過すると,公示送達の効果が生じる(外国でしなければならない送達の場合は6週間)。ただし,2回目以降の送達は翌日にただちに効果を生ずる(112条)。公示送達は不知による名宛人の不利益を当然予定しているので,送達書類の内容が現実に了知されなかったにしても,それだけでは,公示送達は無効にならないし,訴訟行為の追完や再審の訴えも認められない。名宛人の責めに帰することのできない特別の事情があれば,救済の余地がある(97条1項)。刑事訴訟法では,被告人の防御権保障の見地からして,公示送達は認められない(刑事訴訟法54条)。
→送達
執筆者:小島 武司
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…その実施者は原則として執行官または郵便集配人だが,書記官みずからも例外的に実施することがある(99~100条,111条)。 送達実施の方式には,交付送達,郵便に付する送達,および公示送達がある。 交付送達は,名宛人の住所,居所,営業所,または事務所において,送達書類を交付する方式であり,その確実性ゆえに原則的方式とされている(民事訴訟法101条)。…
※「公示送達」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新