皇居・吹上地区の一角にある三つの連結された建物の総称。皇室の祖とされる天照大神を祭る「
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皇居に奉斎されている賢所(かしこどころ)・皇霊殿・神殿の3殿の総称。1月3日の元始祭をはじめ,春秋2期の皇霊祭・神殿祭,および神嘗祭・新嘗祭や先帝祭その他の皇室祭祀がここで行われる。現在の位置は吹上御苑の東南部,上道灌濠をはさんで新宮殿の反対側に3殿が南面して並び立ち,敷地の総面積は約7300m2ほど。いずれも銅瓦葺入母屋造,ヒノキの素木造で,その中央にあるのが賢所。賢所は三種の神器の一つである神鏡を奉安する所で,平安初期から内裏の温明(うんめい)殿に置かれ,女官の内侍が候したので内侍所(ないしどころ)とも呼ばれた。その後,里内裏の盛行に伴い,鎌倉末期から温明殿に代わって春興殿に賢所が置かれるようになり,これは江戸時代の京都御所においても踏襲された。そして1869年(明治2)からは賢所は皇城西丸の山里に鎮座した。また,皇霊殿は歴代の天皇・皇后・皇太后,その他の皇妃・皇親の霊をまつるところで,賢所に向かって左側,すなわち西側にあり,創建は1869年10月皇霊を神祇官内の仮神殿にまつったことに由来するが,71年9月神祇官の廃止後,皇霊は宮中の賢所にうつした。一方,神殿は賢所に向かって右側,すなわち東側にあり,69年2月神祇官の仮神殿に八神(神産日(かみむすひ)神,高御産日(たかみむすひ)神,玉積産日神等の八神)と天神地祇をまつったのに始まり,72年4月神祇省の廃止に伴い,宮中の賢所拝殿にうつされ,八神殿と称したが,ついで11月神殿と改称された。しかるにこれら3殿は,73年5月皇居が炎上したため,赤坂仮皇居内の仮殿にうつされたが,89年1月に宮城の新皇居(明治宮殿)が落成するに及び,吹上御苑に新営された新殿に遷座し,現在に至っている。
執筆者:川田 貞夫
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宮中の賢所(かしこどころ)、皇霊(こうれい)殿、神殿の総称。宮中三神殿ともいい、皇居の吹上御苑(ふきあげぎょえん)南部にある。1889年(明治22)に造営された。中央に賢所があり、東に神殿、西に皇霊殿と並び、渡り廊下で結ばれる。賢所には天照大神(あまてらすおおみかみ)の御霊代(みたましろ)とする神鏡が祀(まつ)られ、皇霊殿には神武(じんむ)天皇以来の天皇・皇族の霊が祀られている。神殿はもと八神殿といい、神祇(じんぎ)官にあって、皇霊産霊神(かみむすびのかみ)など8柱の神々を祀っていたが、1869年東京遷都ののち皇居内に移すとともに、八百万(やおよろず)神をあわせて祀り、神殿とよぶようになった。
[吉田早苗]
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