宮中三殿
きゅうちゅうさんでん
宮中の賢所(かしこどころ)、皇霊(こうれい)殿、神殿の総称。宮中三神殿ともいい、皇居の吹上御苑(ふきあげぎょえん)南部にある。1889年(明治22)に造営された。中央に賢所があり、東に神殿、西に皇霊殿と並び、渡り廊下で結ばれる。賢所には天照大神(あまてらすおおみかみ)の御霊代(みたましろ)とする神鏡が祀(まつ)られ、皇霊殿には神武(じんむ)天皇以来の天皇・皇族の霊が祀られている。神殿はもと八神殿といい、神祇(じんぎ)官にあって、皇霊産霊神(かみむすびのかみ)など8柱の神々を祀っていたが、1869年東京遷都ののち皇居内に移すとともに、八百万(やおよろず)神をあわせて祀り、神殿とよぶようになった。
[吉田早苗]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
きゅうちゅう‐さんでん【宮中三殿】
〘名〙 皇居内にある賢所
(かしこどころ)・皇霊殿・神殿(旧八神殿)の総称。いずれも吹上御苑の東南部にあって、中央に賢所、
西方に皇霊殿、
東方に神殿と並び、各宮殿の間は渡り廊下で通じている。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
宮中三殿
きゅうちゅうさんでん
皇居の吹上御苑に奉祀されている3つの神殿。神鏡を安置している賢所 (かしこどころ) ,歴代天皇の神霊を祀る皇霊殿,八神と天神地祇を祀る神殿をいう。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
きゅうちゅうさんでん【宮中三殿】
皇居に奉斎されている賢所(かしこどころ)・皇霊殿・神殿の3殿の総称。1月3日の元始祭をはじめ,春秋2期の皇霊祭・神殿祭,および神嘗祭・新嘗祭や先帝祭その他の皇室祭祀がここで行われる。現在の位置は吹上御苑の東南部,上道灌濠をはさんで新宮殿の反対側に3殿が南面して並び立ち,敷地の総面積は約7300m2ほど。いずれも銅瓦葺入母屋造,ヒノキの素木造で,その中央にあるのが賢所。賢所は三種の神器の一つである神鏡を奉安する所で,平安初期から内裏の温明(うんめい)殿に置かれ,女官の内侍が候したので内侍所(ないしどころ)ともよばれた。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例