コロタイプ(英語表記)collotype

翻訳|collotype

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コロタイプ」の意味・わかりやすい解説

コロタイプ
collotype

高級写真印刷法の1種。特に美術印刷に最適。厚板ガラスに下引き液を塗布,ゼラチン感光液 (ゼラチン,二クロム酸アンモニウム,クロム明礬など) を引き,乾燥箱に入れて 45~55℃で乾燥。これに反転した写真ネガと合せ焼付ける。このとき特有の小皺ができる。次にガラス板の裏側のふたをはずして 30~40秒露光して焼く。水洗いして乾かし,膜を固定させる。この膜面をグリセリンと水で湿らせると,小皺が水を吸ってふくれ上がり,その度合いがいろいろの調子をつけ,印刷インキをつけると,そのふくれ具合に応じてつきが違ってくる。小皺は肉眼で見えないくらいに微細なので,細部の階調がよく出るうえ網目がないので,写真のように仕上がる。印刷にはコロタイプ印刷機とコロタイプ用のインキを使用する。印刷部数の限界は 2000~3000枚ほどで,印刷機は平台印刷機だけしか使用できない。カラー・コロタイプは印刷のなかでも最も忠実な印刷法で,特に絵画の複製に使用。

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