冠山(読み)カンムリヤマ

デジタル大辞泉 「冠山」の意味・読み・例文・類語

かんむり‐やま【冠山】

岐阜福井県境にある山。両白山地越美えつみ山地西部に位置する。標高1257メートル。山の北側を足羽あすわ川が北流、南側を揖斐いびが南流し、太平洋側と日本海側の分水嶺となっている。山頂付近ではブナ原生林高山植物がみられる。名の由来は、山頂部に露出した岩の形が烏帽子えぼしに似ていることから。冠ヶ岳。

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改訂新版 世界大百科事典 「冠山」の意味・わかりやすい解説

冠山 (かんむりやま)

〈かむりやま〉ともいう。広島県西部,山口県境近くにそびえる広島県第2の高山。標高1339m。形状が冠に似ているところからこの名がある。第四紀の火山で,その火山活動はおよそ2回とみられる。最初はカンラン石玄武岩台地の噴出があり,続いてその上へ角セン石安山岩の溶岩円頂丘が形成された。全山自然林に厚くおおわれ,特に北斜面のブナ,クロモジ群落はみごとである。冠山南麓には標高800mの冠高原があり,1946年に開拓者が入ったが,53年ころから山小屋牧場が設けられ,広島市,山口市方面からの日帰り行楽地となった。83年開通の中国自動車道は冠高原を長さ2190mの冠山トンネルで貫き,近くには吉和インターチェンジがある。冠山より北東50kmの阿佐山(1218m)までを冠山山地と呼び,恐羅漢(おそらかん)山(1346m),十方山(1319m)など山頂に小起伏面を残す山々からなり,山間の柴木川最上流部に年間降水量2500~2800mmをもつ八幡盆地をはさむ。広島・岡山両県北部に連なる東中国山地に対し,この山地を西中国山地とも呼び,また芸北山地の名もある。ほかにも広島県西部には山頂のなだらかな冠山という名の山が多い。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「冠山」の意味・わかりやすい解説

冠山
かんむりやま

福井県南部,池田町と岐阜県揖斐川町の境にある山。標高 1257m。能郷白山に連なる越美山地主脈の一峰で,山頂は浸食のため鳥帽子の冠状を呈するのでこの名がある。足羽川の源をなす。

冠山
かんむりやま

中国山地の西縁を成す冠山山地の主峰。広島,山口,島根3県の県境付近に位置。標高 1339m。古生層の石灰岩,花崗岩から成る。東に汐原温泉,南麓の冠高原はレンゲツツジ大群落の南限でスキー場がある。西中国山地国定公園に属する。

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事典・日本の観光資源 「冠山」の解説

冠山

(福井県今立郡池田町)
21世紀に残したい日本の自然100選」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

世界大百科事典(旧版)内の冠山の言及

【冠山】より

…全山自然林に厚くおおわれ,特に北斜面のブナ,クロモジ群落はみごとである。冠山南麓には標高800mの冠高原があり,1946年に開拓者が入ったが,53年ころから山小屋や牧場が設けられ,広島市,山口市方面からの日帰り行楽地となった。83年開通の中国自動車道は冠高原を長さ2190mの冠山トンネルで貫き,近くには吉和インターチェンジがある。…

【銅山川】より

…愛媛県東部を流れる川。高知との県境をなす石鎚山系冠山(1732m)の北麓,愛媛県宇摩郡別子山村西部に源を発し,法皇山脈の南を東流,徳島県境まで延長約40km。徳島県に入って伊予川といい,三好郡山城町で吉野川に合流する。…

※「冠山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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