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出頭人 シュットウニン

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デジタル大辞泉の解説

しゅっとう‐にん【出頭人】

その場所に出頭した人。
室町時代から江戸初期にかけて、幕府または大名の家で、主君の側にあって政務に参与する者。三管領四職奉行老臣など。出頭衆。
主君の寵愛を得て権勢をふるっている者。
「又男盛りの―、しかも色を好みけるが」〈浮・織留・三〉

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大辞林 第三版の解説

しゅっとうにん【出頭人】

室町時代から江戸時代初期にかけて、主君の側にあって政務に参与した者。出頭衆。
主君の寵ちようを得て、権勢をふるっている者。 「男盛の-/浮世草子・織留 3

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

出頭人
しゅっとうにん

近習出頭人(きんじゅうしゅっとうにん)ともいう。武家社会で主君に日常的に近侍し権力を振るった家臣。制度としての役職ではないが、とくに江戸初期の本多正信、本多正純父子などが典型といえる。前近代社会では大きな身分差のある場合、主君と家臣は直接に会話や手紙を交換することはなく、その間を取り次ぐ者が必要とされた。出頭人とはこの取次で、当然それなりの器量を備えた者であったが、何より主君の恩寵(おんちょう)を前提として、主君の意志を家臣に伝達した。そこでは、出頭人の発言は主君の発言という自明の了解があり、ここに彼らの権力の源泉もあった。したがって、主君が死亡すれば彼らの権力は消滅するのが一般的であった。老中や若年寄といった役職は、この出頭人政治の否定のうえに形成されていたが、幕府統治機構の頂点に将軍という個別人格を置く限り、出頭人は再生産されることが多分にあった。例えば5代将軍綱吉(つなよし)のときの側用人(そばようにん)(柳沢吉保(よしやす))や、8代吉宗(よしむね)の御用取次(ごようとりつぎ)(有馬氏倫(うじのり)、加納久道(かのうひさみち))などをあげることができよう。[小池 進]
『高木昭作著『日本近世国家史の研究』(1990・岩波書店)』

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世界大百科事典内の出頭人の言及

【江戸時代】より

…うわさは火札や捨文,天狗廻状などと並んで民衆レベルの情報伝達手段として今後研究されねばならないが,江戸時代の武士階層を含めて多くの人々が情報に飢えていたことは,内々の情報やうわさを書きとめた〈随筆〉という文学のジャンルが後期に成立したことによっても知られる。
[側近と家老]
 この時代を通じて政策を最終的に決定したのは,出頭人(しゆつとうにん),側用人などと呼ばれた将軍や大名の側近グループであった。側近のなかには女性や僧侶なども広義には含まれるが,側近の本来の機能は日夜君側にあって主君を護衛し,主君とそのもとへ伺候する家臣との間の言葉を取り次ぐことにあった。…

【年寄】より

…室町時代の宮座の年寄は村の年寄と一致するが,江戸時代になると宮座の年寄が村の年寄と一致しないのが一般的な形態である。大人宿老【仲村 研】 なお,近世の幕府老中,大名家の家老も年寄の一種であるが,側近から取り立てられて幕政や藩政に参与する出頭人(しゆつとうにん)が,本領と自前の軍事力を基盤に発言力を有した中世以来の年寄とともに家老(家のとしより,おとな)と呼ばれるようになったのは,近世の特質である。【高木 昭作】。…

【老中】より

…大大名となる以前の徳川氏においても,他の戦国大名や初期の近世大名と同様に,〈老〉の発言権は徳川家康に属する諸軍団それぞれの指揮者である点に存在した。しかし家康が関八州の大大名,豊臣政権下の五大老を経て将軍となる過程でその権威が〈老〉たちを圧倒するに及んで,彼らの発言権は相対的に低下し,かわって家康の出頭人(しゆつとうにん)たちの発言権が上昇した。出頭人は主君と家臣との間の執次(とりつぎ)兼親衛隊長であり,その発言は家康の言葉そのものとみなされたからである。…

【若年寄】より

…若年寄の職名と職掌は,3代将軍徳川家光の時代の六人衆に起源する。1632年(寛永9)大御所秀忠の死によって実質的に幕政を掌握した家光には,太田資宗三浦正次阿部重次阿部忠秋堀田正盛松平信綱の六人衆と呼ばれた6人の出頭人(しゆつとうにん)が存在しており,彼らは旗本を統率して家光の身辺を護衛すると同時に,常時家光に近侍して諸事を取り次ぐ役割を果たしていた。他方家光には,土井利勝をはじめ秀忠の出頭人として老中の役割を果たしていた人々が存在しており,家光は彼らを無視して幕政を進めることはできなかった。…

※「出頭人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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