鹿児島県薩摩半島(さつまはんとう)南西部にあった旧市名(加世田市)。現在は南さつま市の中央部を占める。旧加世田市は1954年(昭和29)加世田町と万世(まんせい)町が合併して市制施行。2005年(平成17)川辺(かわなべ)郡大浦(おおうら)町、笠沙(かささ)町、坊津(ぼうのつ)町、日置(ひおき)郡金峰(きんぽう)町と合併し南さつま市となった。旧加世田市は南薩の政治・経済の中心地。南部は長屋山(513メートル)や蔵多(くらた)山(475メートル)などのある山地で、北に向かって加世田川が丘陵地、台地、沖積平野を流れ、万之瀬(まのせ)川に合流する。北西部には吹上浜(ふきあげはま)砂丘の一部がある。国道270号が南北に、県道が東西に走る。1539年(天文8)島津忠良(ただよし)(日新公(じっしんこう))の城下町となった。忠良はよく家臣の団結統率にあたり、島津氏の基礎を固めたため、島津氏中興の祖といわれ、竹田神社に祀(まつ)られている。また、旧麓(ふもと)の武家屋敷がいまも多く残っている。
工業では、九州一の製菓工場のほか、焼酎(しょうちゅう)工場、宝石研摩工場、クエン酸工場などがあり、農業は水稲作や、津貫(つぬき)地区を中心としたミカン栽培があり、砂丘地帯ではピーマン、ブドウ、ラッキョウなどがつくられる。特産品のいりこや「ちりめんじゃこ」を捕獲する沿岸漁業もある。観光地に吹上浜県立自然公園に入る新川海岸や万之瀬川渓谷があり、竹田神社の夏祭(7月23日)の稚児(ちご)踊・二才(にせ)踊は県指定無形民俗文化財。
[田島康弘]
『『加世田市誌』上下(1964・加世田市)』▽『『わたしたちの加世田市』(1965・加世田市)』
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