加能作次郎(読み)カノウサクジロウ

デジタル大辞泉 「加能作次郎」の意味・読み・例文・類語

かのう‐さくじろう〔‐サクジラウ〕【加能作次郎】

[1885~1941]小説家石川の生まれ。自然主義の流れをくむ自伝的・身辺雑記的心境小説を書いた。作「厄年」「世の中へ」「乳の匂ひ」など。

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精選版 日本国語大辞典 「加能作次郎」の意味・読み・例文・類語

かのう‐さくじろう【加能作次郎】

  1. 小説家。石川県出身。早大英文科卒。自然主義の流れをくむ小説を書いた。著作「厄年」「世の中へ」「乳の匂ひ」など。明治一八~昭和一六年(一八八五‐一九四一

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20世紀日本人名事典 「加能作次郎」の解説

加能 作次郎
カノウ サクジロウ

大正・昭和期の小説家



生年
明治18(1885)年1月10日

没年
昭和16(1941)年8月5日

出生地
石川県羽咋郡西海村(現・富来町)

学歴〔年〕
早稲田大学英文科〔明治44年〕卒

経歴
明治31年京都に出、宿屋薬局を営む伯父のもとで丁稚や下男として働き、伯父の死後は弁護士の事務員などを転々として36年帰郷。検定で小学校教師となるが、38年上京して苦学しながら早大に進む。43年「恭三の父」を、44年「厄年」を発表して文壇に出る。早大卒業後は早大出版部に入り「早稲田文学」を編集するが、大正2年博文館に入り「文章世界」の記者となって、6年編集主任。7年「世の中へ」を発表。以後「寂しき路」「小夜子」「傷ける群」「乳の匂ひ」などを発表した。なお昭和60年には生誕百年を記念して、能登の中高生を対象とした「加能文学賞」が設けられた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「加能作次郎」の意味・わかりやすい解説

加能作次郎
かのうさくじろう
(1885―1941)

小説家。明治18年1月10日生まれであるが、実際の生年前年という。石川県出身。早稲田(わせだ)大学英文科卒業。その間、外国文豪の評伝や、不遇な幼少期に材を取った出世作『厄年(やくどし)』(1911)などを『ホトトギス』に発表。博文館入社後、田山花袋(かたい)に師事、『文章世界』編集に携わる一方、苦難な少年期を観照的態度でリアルに描いた『世の中へ』を『読売新聞』に連載(1918)、作家的地位を不動にし、小説家協会創立にも尽力。『若き日』(1920)、『幸福』(1921)など人情味豊かな自伝的作品を次々と発表、大正期私小説の中堅作家として活躍した。最晩年の秀作『乳の匂(にお)ひ』(1940)もある。

[小野寺凡]

『『日本近代文学大系47 明治短篇集』(1970・角川書店)』『『現代日本文学全集34 加能作次郎他集』(1955・筑摩書房)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「加能作次郎」の解説

加能作次郎 かのう-さくじろう

1885-1941 大正-昭和時代前期の小説家。
明治18年1月10日生まれ。早大在学中の明治44年「ホトトギス」掲載の「厄年」でみとめられる。田山花袋に師事。博文館に入社し,「文章世界」の編集にたずさわる。大正7年の「世の中へ」で文壇的地位を確立。「若き日」「幸福へ」など情味ある作品で私小説作家として活躍した。昭和16年8月5日死去。57歳。石川県出身。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「加能作次郎」の意味・わかりやすい解説

加能作次郎
かのうさくじろう

[生]1885.1.10. 石川,西海
[没]1941.8.5. 東京
小説家。 1911年早稲田大学卒業。在学中に出世作『厄年 (やくどし) 』 (1911) を発表。以後,早稲田派の中堅作家として,風土色豊かな身辺雑記的な心境小説に独自の境地を開いた。主著『傷ける群』 (21) ,短編集『乳の匂ひ』 (41) 。

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367日誕生日大事典 「加能作次郎」の解説

加能 作次郎 (かのう さくじろう)

生年月日:1885年1月10日
大正時代;昭和時代の小説家。「文章世界」主筆
1941年没

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