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酸素と結合しにくく,空気中に放置しても重合などが起こらず,薄膜にして放置しても乾燥して塗膜を生じない,乾燥性のない液状の油脂。ツバキ油,オリーブ油,ラッカセイ油,茶油,ヒマシ油などがこれに属する。ヨウ素価が100以下である油脂が不乾性油として分類され,脂肪酸は飽和脂肪酸であるオレイン酸を主体に不飽和1ヵ所のリノール酸を含み,不飽和2ヵ所のリノレン酸をほとんど含有しないものが多い。上記の例のなかではヒマシ油の脂肪酸はリシノール酸が主で非食用であるが,その他の大部分が食用となり,また化粧品,医薬,潤滑油などの製造に用いられる。塗料用,印刷インキ用など乾燥塗膜をつくることが必要な用途に対しては用いられない。飽和脂肪酸も空気中で酸化せず安定であるが,これを多量に含む油脂の多くは常温で固体であり,不乾性であっても不乾性油といわず,植物脂と呼ばれる。
執筆者:内田 安三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
乾性油と異なり,乾燥しにくい脂肪油.一般にヨウ素価100以下で,オレイン酸,リシノール酸などのグリセリドを主成分とする.つばき油,落花生油,オリブ油,ひまし油などがこの例で,食用,せっけん,頭髪油,医薬品など広く用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…キリ油,亜麻仁油のようにそのグリセリドの脂肪酸成分としてリノール酸,リノレン酸などのオレイン酸よりさらに高度不飽和脂肪酸を多く含む油である。一般に油脂は乾性油,半乾性油,不乾性油に分類される。乾燥の反応は脂肪酸の不飽和結合と酸素の反応に起因するので,その難易は不飽和性の度合を示すヨウ素価で判定され,それによって油脂を分類することができる。…
…有機化合物のヨウ素価は,ステアリン酸0,オレイン酸90,リノール酸181,リノレン酸274。植物油は塗膜の乾燥性と酸化しやすさから乾性油,半乾性油,不乾性油に分類され,対象となる油脂のヨウ素価が130以上なら乾性油,130~100ならば半乾性油,100以下ならば不乾性油である。油脂のヨウ素価は,乾性油のアマニ油170~204,ダイズ油114~138,半乾性油の綿実油88~121,不乾性油のラッカセイ油82~109,植物脂肪のパーム油43~60,ヤシ油7~16,海産魚油のイワシ油163~195,動物脂の牛脂25~60,バター脂25~47である。…
※「不乾性油」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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